平成30年度 秋期 ITパスポート試験 公開問題 問45 解説 業務監査の定義
監査役が行う監査を, 会計監査, 業務監査, システム監査, 情報セキュリティ監査に分けたとき, 業務監査に関する説明として, 最も適切なものはどれか。
- ア 財務状態や経営成績が財務諸表に適正に記載されていることを監査する。
- イ 情報資産の安全対策のための管理・運用が有効に行われていることを監査する。
- ウ 情報システムを総合的に点検及び評価し, IT が有効かつ効率的に活用されていることを監査する。
- エ 取締役が法律及び定款に従って職務を行っていることを監査する。 ✓ 正答
解説
業務監査と聞いたら、まずは「経営陣(取締役)が正しく仕事をしているか」という視点を持つことが正解への近道です。ほかの監査項目(会計、システム、セキュリティ)と目的が明確に異なるため、それぞれのキーワードを紐付けるだけで確実に回答できます。
監査の目的を整理する
今回の問題にある4つの監査は、それぞれ「何をチェックするのか」という対象が異なります。
・業務監査(今回の正解):取締役の職務執行が法律や定款に基づいているかを確認します。会社が暴走せず、決められたルールの中で運営されているかを監視する役割です。 ・会計監査:貸借対照表や損益計算書などの財務諸表が、会計ルールに基づいて適正に作成されているかを確認します。 ・システム監査:企業のIT戦略や開発、運用が目的にかなっているか、無駄はないか、効率的かをチェックします。 ・情報セキュリティ監査:情報資産が漏洩や改ざんから守られているか、管理体制が有効かをチェックします。
試験での判断ポイント
ITパスポート試験では、監査の対象が「お金(会計)」「人・組織の動き(業務)」「ITの仕組み(システム)」「情報の安全性(セキュリティ)」のどれに該当するかを問う問題が頻出します。
・「財務」「勘定科目」「決算」といった言葉があれば会計監査 ・「取締役」「職務」「法律」「定款」「法令遵守」といった言葉があれば業務監査 ・「ITガバナンス」「有効性」「効率性」といった言葉があればシステム監査 ・「機密性」「完全性」「可用性」「脅威」「対策」といった言葉があれば情報セキュリティ監査
このようにキーワードをセットで覚えておくと、迷わず回答を選ぶことができます。
実際のビジネス場面での役割
実務において、業務監査は「ガバナンス(企業統治)」の観点で非常に重要です。たとえ経営成績が良くても、取締役が法律を無視した経営を行っていたり、会社の方針(定款)から逸脱した活動をしていたりすると、会社の存続自体が危ぶまれるからです。
特に近年では、企業不祥事がニュースになるたびに、この業務監査が適切に機能していたかどうかが厳しく問われます。ITパスポートで問われる知識は、こうした組織運営の土台となる考え方です。まずは「業務監査は経営陣を見張るためのルール確認」というイメージを定着させてください。
情報処理推進機構(IPA)システム監査基準 [初級シスアド講座] 監査の種類 わかりやすいシステム監査の基本(ITパスポート学習サイト)