平成30年度 春期 ITパスポート試験 公開問題 問18 解説 公益通報者保護法
勤務先の法令違反行為の通報に関して,公益通報者保護法で規定されているもの はどれか。
- 勤務先の監督官庁からの感謝状
- 勤務先の同業他社への転職のあっせん
- 通報したことを理由とした解雇の無効 ✓ 正答
- 通報の内容に応じた報奨金
解説
この問題は、公益通報者保護法の「保護」という目的に注目することで簡単に正解できます。公益通報者保護法は、組織内の不正を通報した人が、不当な扱いを受けてキャリアを断たれることを防ぐための法律です。したがって、保護の対象となるのは「不利益な扱いの禁止」に関する項目であり、選択肢の中でそれに該当するのは「通報したことを理由とした解雇の無効」となります。
公益通報者保護法の役割と目的 公益通報者保護法とは、企業の法令違反を通報した従業員などが、その行為を理由にクビにされたり、降格させられたり、嫌がらせを受けたりすることを防ぐ法律です。もし通報しただけで解雇されてしまえば、誰も不正を告発できなくなり、結果として企業による隠蔽体質が温存されてしまいます。これを防ぎ、組織の透明性を高めることがこの法律の狙いです。
具体的には、以下の3つの禁止事項が定められています。
- 解雇の無効(通報を理由にクビにすることはできない)
- 不利益な取り扱いの禁止(降格、減給、自宅待機などの不当な扱いをしてはならない)
- 派遣労働者に対する派遣契約の解除や更新拒否の禁止
試験で問われるパターン ITパスポート試験では、この法律について「どのような行為が守られているか」を問う問題が頻出です。よくある誤った選択肢として、「報奨金の付与」「キャリアサポート」「表彰」といったポジティブな恩恵を提示するケースがあります。しかし、公益通報者保護法の本質は「あくまで通報者に対する不当な不利益をさせないこと(守ること)」であり、金銭的なボーナスを与える法律ではないという点を押さえておきましょう。
実際の現場では、企業には「内部通報窓口」の設置が推奨または義務付けられています。従業員が安心して通報できる環境を作ることが、企業のコンプライアンス(法令遵守)において重要視されています。
消費者庁:公益通報者保護制度 https://www.caa.go.jp/policies/policy/whistle_blowing/
e-GOV 法令検索:公益通報者保護法 https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=416AC0000000122