令和元年度 秋期 ITパスポート試験 問2 解説 損益計算の変動
あるメーカの当期損益の見込みは表のとおりであったが, その後広告宣伝費が5億円, 保有株式の受取配当金が3億円増加した。このとき, 最終的な営業利益と経常利益はそれぞれ何億円になるか。ここで, 広告宣伝費, 保有株式の受取配当金以外は全て見込みどおりであったものとする。
- ア. ✓ 正答
- イ.
- ウ.
- エ.
解説
この問題は損益計算書の構造を正しく理解し、各項目の変動がどの利益に影響するかを判断することで解けます。
解き方の手順
営業利益の見込み額を計算する 営業利益 売上高 売上原価 販売費及び一般管理費 計算式:
広告宣伝費増加による営業利益の変化を計算する 広告宣伝費は販売費及び一般管理費に含まれるため、5億円の増加はそのまま営業利益の5億円減少につながります。 計算式:
経常利益の見込み額を計算する 経常利益 営業利益 営業外収益 営業外費用 計算式:
広告宣伝費と受取配当金の増加を反映させ、最終的な経常利益を計算する 営業利益が5億円減少し、営業外収益である受取配当金が3億円増加します。 計算式:
以上より、最終的な営業利益は85億円、経常利益は92億円となります。
損益計算書の基本構造
ITパスポート試験では、企業活動の成果を示す損益計算書(P/L)の利益分類が頻出です。以下の構造を覚えておきましょう。
・売上総利益:売上高 売上原価(本業の売上から、商品の直接的な原価を引いたもの) ・営業利益:売上総利益 販売費及び一般管理費(本業でどれだけ稼いだか) ・経常利益:営業利益 営業外収益 営業外費用(本業に加えて、財務活動などを含めた日常的な稼ぎ)
広告宣伝費は、企業が営業活動を行うための販売費に含まれるため、営業利益以下のすべての利益に影響を与えます。一方で、保有株式の受取配当金は本業以外の財務活動による収入であるため、営業外収益として扱われ、営業利益には影響せず、経常利益からプラスの影響を受けることになります。
この知識が使われる場面
損益計算書に関連する問題では、今回のように「特定の項目が変動したときに、どの段階の利益が変化するか」を問われるパターンが非常に多いです。特に「営業利益は変わらないが経常利益は変わる」といったひっかけ問題に注意が必要です。財務指標や経営分析の基礎として、各項目の定義と計算順序を正確に把握しておくことが合格への近道となります。
- 日本商工会議所:損益計算書のしくみと読み方