令和元年度 秋期 ITパスポート試験 問12 解説 経営理念の意義
企業の経営理念を策定する意義として, 最も適切なものはどれか。
- ア 企業の経営戦略を実現するための行動計画を具体的に示すことができる。
- イ 企業の経営目標を実現するためのシナリオを明確にすることができる。
- ウ 企業の存在理由や価値観を明確にすることができる。 ✓ 正答
- エ 企業の到達したい将来像を示すことができる。
解説
経営理念という言葉を見たら「企業の根っこ(存在理由・価値観)」と連想するのが最も確実な解き方です。選択肢にある他の要素(将来像や行動計画)と混同しないよう、組織の階層構造を整理しておくことが正解への近道となります。
経営理念とは、その企業が社会に対してどのような価値を提供するために存在し、どのような信念や価値観を大切に活動していくかという、組織における最も根幹となる「根本的な考え方」を指します。いわば企業のアイデンティティであり、時代や環境が変わっても簡単に変わらない道しるべのようなものです。
一方、他の選択肢はそれぞれ以下のような別の経営用語を指しています。
アの行動計画は、経営戦略を遂行するための具体的なタスクやスケジュールのことです。理念が「なぜやるのか」を問うものなら、行動計画は「どうやって進めるのか」を問うものです。
イの経営目標を実現するためのシナリオは、戦略や経営方針が該当します。目標というゴールに対して、どのような筋道で到達するかという論理的な道筋を示すものです。
エの到達したい将来像は、経営ビジョンと呼ばれるものです。理念が「現在」の活動のよりどころであるのに対し、ビジョンは「未来」にこうありたいという姿を示しています。
ITパスポート試験では、これらの用語を入れ替えた選択肢が頻出します。「理念=存在理由(Why)」「ビジョン=将来像(Future)」「戦略=達成シナリオ(How)」という分類を頭に入れておくだけで、定義を問う問題は瞬時に判別できるようになります。
経営戦略の策定プロセスや企業のガバナンスに関する問題で、これらの概念がセットで出題されることがよくあります。例えば、組織全体で統一した意思決定を行うためには、まず経営理念を共有し、そこから具体的な戦略や戦術へと落とし込んでいく必要がある、といった文脈で理解しておくと応用が利きます。
- 経営戦略の基礎知識(中小企業庁)