令和元年度 秋期 ITパスポート試験 問20 解説 営業秘密の保護
事業活動における重要な技術情報について,営業秘密とするための要件を定めて いる法律はどれか。
- ア 著作権法
- イ 特定商取引法
- ウ 不正アクセス禁止法
- エ 不正競争防止法 ✓ 正答
解説
この問題は、法律が何を保護対象にしているかを整理することで即座に解けます。営業秘密、つまり企業の重要なノウハウや顧客リストなどが盗まれた場合に、それを法的に守り、不正な競争を防ぐ役割を担っているのは「不正競争防止法」です。
営業秘密と認められるための3要件
法律が営業秘密を保護するためには、企業側がその情報を適切に管理している必要があります。試験対策として、以下の3つの要件を必ずセットで覚えておきましょう。
- 秘密管理性:情報にアクセスできる人を制限し、誰が見ても秘密だと分かる状態で管理されていること。
- 有用性:その情報が、事業活動においてコスト削減や売上向上などに役立つこと(単なる無駄なデータではないこと)。
- 非公知性:ウェブサイトや雑誌などで公に発表されておらず、一般の人には知られていない情報であること。
これら3つをすべて満たして初めて、不正競争防止法による保護の対象となります。もし情報が鍵のかからない場所に放置されていたり、誰でも見られる状態であったりすると、秘密管理性が認められず、法的な救済を受けられない可能性があります。
各選択肢の法律の目的
ITパスポート試験では、それぞれの法律が何を守るために存在しているかの区別が問われます。
・著作権法:小説、音楽、プログラム、ウェブサイトのデザインなど、人間が創作した「著作物」を守る法律です。アイデアそのものではなく、表現されたものを保護します。 ・特定商取引法:通信販売や訪問販売など、トラブルが起きやすい取引において、消費者が不当な契約をさせられないようルールを定めた法律です。 ・不正アクセス禁止法:IDやパスワードを盗んだり、他人のサーバーに不正に侵入したりするような、「ネットワークへの不正な侵入」そのものを禁止する法律です。
今回の「事業活動における技術情報」というキーワードが出たら、即座に不正競争防止法を連想できるようにしておきましょう。特に実務の場面では、退職者が会社の顧客リストを持ち出した際に、この法律が適用できるかどうかが争点になるケースが多くあります。
- 知的財産戦略推進事務局:営業秘密〜秘密管理のためのハンドブック〜
- 公益社団法人発明協会:不正競争防止法の概要