平成31年度 春期 ITパスポート試験 問15 解説 リーン生産方式
ジャストインタイムやカンバンなどの生産活動を取り込んだ,多品種大量生産を 効率的に行うリーン生産方式に該当するものはどれか。
- ア 自社で生産ラインをもたず,他の企業に生産を委託する。
- イ 生産ラインが必要とする部品を必要となる際に入手できるように発注し,仕掛品の量を適正に保つ。 ✓ 正答
- ウ 納品先が必要とする部品の需要を予測して多めに生産し,納品までの待ち時間の無駄をなくす。
- エ 一つの製品の製造開始から完成までを全て一人が担当し,製造中の仕掛品の移動をなくす。
解説
この問題は、リーン生産方式の核となる考え方を問うています。正解を導く鍵は、この方式の目的である「無駄の徹底排除」と、その具体的な手法である「必要なものを、必要な時に、必要なだけ」という概念を理解しているかどうかです。
リーン生産方式(トヨタ生産方式とも呼ばれます)は、在庫を極力持たず、生産工程における無駄を削ぎ落とすことで効率化を図る手法です。この考え方を前提に各選択肢を判断します。
選択肢イは、問題文にあるジャストインタイム(JIT)の定義そのものです。「必要なものを、必要な時に、必要なだけ」調達することで、過剰な在庫(仕掛品)を抱えるリスクやコストを抑えます。これが正解の根拠となります。
他の選択肢についても確認しましょう。
選択肢アは、ファブレス経営と呼ばれる手法です。生産ラインを持たないという点では効率化の一環ですが、リーン生産方式の直接的な説明ではありません。
選択肢ウは、需要を予測して多めに生産する(見込み生産)ことを指しています。これは、需要の変動に対応しやすく在庫切れを防ぐメリットはありますが、在庫が過剰になりやすく、リーン生産方式が目指す「在庫を抑えて無駄を省く」という方向性とは逆の考え方です。
選択肢エは、セル生産方式に関する説明です。多品種少量生産には向いていますが、リーン生産方式という概念全体の説明としては限定的であり、選択肢イのほうがより本質的な特徴を表しています。
リーン生産方式は、特に製造業の現場で使われる概念ですが、IT業界においてもソフトウェア開発におけるアジャイル開発など、「無駄を省いて価値を最大化する」という考え方は共通しています。試験では、「在庫=無駄」という図式を覚えておくことで、類似した問題に対応しやすくなります。
- トヨタ自動車公式企業サイト:トヨタ生産方式
- 厚生労働省:職場の改善に役立つ知識(トヨタ生産方式の要点)