平成31年度 春期 ITパスポート試験 問20 解説 実用新案権の保護対象
実用新案権の保護対象として,適切なものはどれか。
- ア 圧縮比率を大きくしても高い復元性を得られる工夫をした画像処理プログラム
- イ インターネットを利用し,顧客の多様な要望に対応できるビジネスモデル
- ウ 岩石に含まれているレアメタルを無駄なく抽出して,資源を有効活用する方法
- エ 電気スタンドと時計を組み合わせて夜間でも容易に時刻を確かめられる機器 ✓ 正答
解説
実用新案権の対象を見極めるには「物品の形状・構造」というキーワードに着目します。選択肢の中で、物理的に触れることができ、形や構造の工夫によって機能が実現されているものを探してください。
実用新案権とは 実用新案法は、物品の形状、構造、または組み合わせに係る「考案」を保護するための権利です。ここで重要なのは「物品」であるという点です。つまり、形あるモノそのものや、その部品の組み合わせ方の工夫が対象になります。
一方で、今回の問題にあるような「プログラム(ソフトウエア)」「ビジネスモデル」「方法や工程(プロセス)」は実用新案権の保護対象外です。これらは「特許権」の対象となる場合がありますが、実用新案権はあくまで物理的な構造に特化した権利であると区別しましょう。
選択肢の分析 ア:画像処理プログラムは「情報」であり、物理的な物品ではないため対象外です。 イ:ビジネスモデルは「方法」や「仕組み」であり、特定の物品の形を工夫したものではないため対象外です。 ウ:抽出する方法やプロセスは「方法」に該当するため対象外です。 エ:電気スタンドと時計という「物品」を物理的に組み合わせ、その構造を工夫しているため、実用新案権の保護対象として適切です。
試験での活用と区別 ITパスポート試験では、知的財産権の種類と保護対象を混同させようとする問題が頻出します。以下の表をイメージできるようにしておくと迷わなくなります。
特許権:発明(自然法則を利用した技術的思想の創作)。プログラムや方法も含む。 実用新案権:考案(物品の形状や構造)。モノに限る。 著作権:著作物(思想や感情を創作的に表現したもの)。プログラムも含むが、技術的なアイデアではなく表現を保護する。
特に「方法や手順」を保護する権利はないという実用新案権の制限を覚えておくと、消去法で正解を導きやすくなります。
- ITパスポート試験ドットコム(過去問解説ページ)