平成31年度 春期 ITパスポート試験 問51 解説 システム開発のレビュー
システムの利用者と開発者の間で,システムの設計書の記載内容が利用者の要求を満たしていることを確認するために実施するものはどれか。
- ア 共同レビュー ✓ 正答
- イ 結合テスト
- ウ シミュレーション
- エ 進捗会議
解説
この問題の正解は、アの共同レビューです。システムの設計段階において、利用者の意図と設計書の内容に食い違いがないか、開発者と利用者が一緒にチェックするプロセスを指します。
システム開発の現場では、開発の初期段階で誤解や認識のズレを発見することが極めて重要です。もし設計の段階で「利用者が求めていた機能」と「開発者が理解している仕様」が異なっていた場合、その後の製造(プログラミング)やテストの工程で多大な手戻りが発生してしまうからです。
共同レビューとは、開発側が作成した設計書を、利用者側も交えて読み合わせ、内容に不足や誤りがないかを確認する活動のことです。専門用語ではウォークスルーやインスペクションといった手法で行われることもあります。これにより、利用者の要求が正しく設計書に反映されていることを早期に確認し、品質を担保します。
他の選択肢が不適切な理由は以下の通りです。
結合テストは、個別に完成したプログラム同士を組み合わせ、正しく連携して動作するかを確認する工程です。あくまでプログラミングが進んだ後の段階で行うため、設計書の確認作業ではありません。
シミュレーションは、実際の環境を仮想的に再現して、システムの振る舞いや性能を予測・評価する手法です。設計書の記載内容が要求を満たしているかを確認するためのプロセスというよりは、動作確認や予測のための手法です。
進捗会議は、プロジェクトのスケジュール通りに作業が進んでいるかを確認するための場です。設計内容の妥当性を詳細に検討する場ではないため、設問の意図とは異なります。
ITパスポート試験では、開発の各工程(要件定義、設計、実装、テスト)で「何をするか」「何を確認するか」が頻出します。特に、開発の早い段階で誤りを見つける方が、後の工程で見つけるよりも修正コストが低いという「手戻り防止」の考え方は非常に重要です。設計段階におけるレビューは、まさにこのコストを最小限にするための必須の手順として覚えておきましょう。
- e-Words:共同レビューとは