令和3年度 ITパスポート試験 公開問題 問10 解説 技術ロードマップ
技術ロードマップの説明として,適切なものはどれか。
- カーナビゲーションシステムなどに用いられている最短経路の探索機能の実現に必要な技術を示したもの
- 業務システムの開発工程で用いるソフトウェア技術の一覧を示したもの
- 情報システム部門の人材が習得すべき技術をキャリアとともに示したもの
- 対象とする分野において,実現が期待されている技術を時間軸とともに示したもの ✓ 正答
解説
技術ロードマップという言葉は、直訳すると「技術の地図」です。この問題は、ロードマップ(地図)が何を表すものかを理解していれば、迷わず正解を選べます。ロードマップには必ず「時間軸」と「目標(目的地)」が含まれるため、選択肢の中で唯一「時間軸」という言葉が含まれているものを選ぶのが正解への近道です。
技術ロードマップとは、将来的にどのような技術を開発するか、あるいはどのような技術が必要になるかを、現在から未来にかけてのタイムライン上に配置した計画書のことです。単に「いま何があるか」を示すだけでなく、数年後、数十年後に向けて、どのような技術的な課題を解決し、どのような姿を目指すのかを可視化するために用いられます。
企業が新しい製品を開発する際、いきなり画期的なものが生まれるわけではありません。まずは基礎研究を行い、次に試作、そして実用化という段階を踏みます。こうした「いつまでに」「どの技術を」「どのようなレベルまで完成させるか」という見通しを組織全体で共有することで、研究開発の優先順位を決定したり、必要な予算や人員を確保したりすることが可能になります。
ITパスポート試験では、この言葉と同様に「~ロードマップ」という表現がよく登場します。たとえば、経済産業省が発行する「情報システム革新ロードマップ」や、特定のIT技術の発展を示した資料などがこれに該当します。問題文中に「将来の予測」や「時間軸」という言葉が出てきたら、それが技術ロードマップを指している可能性が高いと判断しましょう。
また、本問の他の選択肢は、ロードマップとは少し異なる概念を指しています。たとえば「人材が習得すべき技術」を示すものはスキルマップと呼ばれ、「開発工程で用いるソフトウェア技術」を示すものは開発標準やツールセットなどと呼ばれます。技術ロードマップはあくまで「技術そのものの未来図」であるという点を押さえておきましょう。
- 技術経営(MOT)における技術ロードマップ(JST・科学技術振興機構)