令和3年度 ITパスポート試験 公開問題 問37 解説 ITサービスマネジメント
システムの利用者数が当初の想定よりも増えてシステムのレスポンスが悪化したので, 増強のためにサーバを1台追加することにした。動作テストが終わったサーバをシステムに組み入れて稼働させた。この作業を実施する IT サービスマネジメントのプロセスとして, 適切なものはどれか。
- インシデント管理
- 変更管理
- 問題管理
- リリース及び展開管理 ✓ 正答
解説
この問題は、システムの運用における「何を目的とした活動か」に注目することで正解を導き出せます。「サーバをシステムに組み入れて稼働させる」という、本番環境への物理的な導入や実装に焦点を当てていることが判断の決め手です。
ITサービスマネジメント(ITIL)における主要なプロセスは、目的の違いで区別できます。
インシデント管理は、利用者の問い合わせやトラブルなど、サービスの中断や品質低下を「発生した時点で速やかに通常の状態に戻すこと」を目的としています。今回のケースのように、あらかじめ計画された増強作業には該当しません。
変更管理は、システム構成の変更が「妥当かどうかを評価・承認する」プロセスです。今回のケースでいえば「サーバを1台追加してよいか、影響はないか」を会議で承認する段階までが変更管理の範疇となります。
問題管理は、インシデントの「根本的な原因を突き止め、再発を防ぐこと」を目的としています。レスポンス悪化の原因が何だったのかを分析する作業はこれに含まれますが、サーバの増強作業そのものではありません。
リリース及び展開管理は、計画され承認された変更を、実際に「本番環境へ移行・展開し、利用可能にする」プロセスです。問題文にある「動作テストが終わったサーバをシステムに組み入れて稼働させる」という一連の物理的な導入工程は、まさにこのプロセスの役割です。
試験では、今回のように「計画」「承認」「原因追及」「実作業」のどれを行っているかという切り分けが頻出します。
実作業を伴う展開であればリリース及び展開管理 実施するかどうかの承認やリスク評価であれば変更管理 障害対応や復旧であればインシデント管理 根本的な原因分析や恒久対策の立案であれば問題管理
このように目的とアクションをセットで覚えることで、問題文の状況からプロセスを即座に特定できるようになります。
- 【ITパスポート】ITサービスマネジメントのプロセスをわかりやすく解説(YouTube:情報処理技術者試験合格チャンネル)