令和6年度 ITパスポート試験 公開問題 問69 解説 RAID5の容量計算
障害に備えるために、4台のHDDを使い、1台分の容量をパリティ情報の記録に使用するRAID5を構成する。1台のHDDの容量が1Tバイトのとき、実効データ容量はおよそ何バイトか。
- ア 2T
- イ 3T ✓ 正答
- ウ 4T
- エ 5T
解説
実効容量を求める計算式
RAID5の実効データ容量は、以下の式で求められます。
実効データ容量 = (HDDの台数 - 1) × 1台あたりの容量
本問の場合、HDDは4台、1台あたり1Tバイトですので、 Tバイトとなります。正解はイです。
RAID5の仕組みとパリティ
RAIDは複数のHDDを組み合わせて、データの信頼性や高速性を高める技術です。RAID5は、データとパリティと呼ばれる復旧用の情報を、複数のディスクに分散して記録する方式です。
ここで重要なのは「パリティの役割」です。パリティとは、万が一ディスクが1台故障した際に、残りのディスクから元のデータを再構築するための計算用データです。このパリティを記録するために、RAID5では構成するディスクのうち、常に1台分相当の容量が消費されます。
したがって、N台のディスクを使ってRAID5を構築した場合、実際にユーザーがデータ保存に使用できる領域は「Nマイナス1台分」になるというわけです。
思考のプロセス
この問題を解く際は、以下の手順で考えるとスムーズです。
- RAID5の特性を思い出す:RAID5は必ず「1台分がパリティ(犠牲)になる」ことを確認します。
- 計算式を立てる:総台数が4台なので、使えるのは4引く1で3台分です。
- 数値を当てはめる:1台が1Tバイトなので、3台分で3Tバイトとなります。
もし問題文が「RAID1(ミラーリング)」であれば、実効容量は総容量の半分になりますし、「RAID0(ストライピング)」であれば、全台分の容量をそのまま使えます。RAIDのレベルごとに「パリティに何台分使うか」「あるいは使わないか」というルールをセットで覚えておくと、応用が利くようになります。
実務や試験における意義
この知識は、ITシステムの設計や見積もりの現場で非常に重要です。例えば、社内サーバーを構築する際、1TバイトのHDDを4台用意したからといって、そのまま4Tバイトのデータを保存できるわけではありません。バックアップや冗長化(故障への備え)を考慮した場合、実際の保存可能容量が減ることをあらかじめ計算に入れておかなければ、運用後に「容量が足りない」といったトラブルを招く恐れがあります。
ITパスポート試験では、単に用語を暗記するだけでなく、こうした「システムの信頼性を高めるために、コスト(容量)をどう配分するか」というエンジニアの視点を問う意図があります。