令和7年度 ITパスポート試験 公開問題 問39 解説 アジャイルモデルの特徴
問39 ソフトウェア開発モデルであるアジャイルモデルの特徴に関して,次の記述中のa,bに入れる字句の適切な組合せはどれか。 アジャイルモデルとは,要件を確定してから開発を実施するウォーターフォールモデルの a する形で提唱された, b できるようにソフトウェアを開発するための手法の総称である。
- ア 課題を改善 開発工程で生じる種々の変更に迅速に対応 ✓ 正答
- イ 課題を改善 開発工程を順に実施
- ウ 特徴を継承 開発工程で生じる種々の変更に迅速に対応
- エ 特徴を継承 開発工程を順に実施
解説
この問題は、ウォーターフォールモデルとアジャイルモデルという、代表的な2つのソフトウェア開発手法の対比を理解しているかを問うものです。
正解は「ア」です。
判断のポイントは以下の2点です。
- aについて:アジャイルモデルは、ウォーターフォールモデルの「あらかじめ要件を固めきらないと進めない」「途中の仕様変更が困難である」といった弱点を解消するために生まれました。したがって、課題を改善する形が適切です。
- bについて:アジャイル開発の最大の特徴は、短い期間での開発を繰り返すことで、状況の変化や要求の変更に柔軟かつ素早く対応できる点にあります。「順に実施」するのはウォーターフォールモデルの特徴です。
ウォーターフォールとアジャイルの決定的な違い
ソフトウェア開発モデルを理解する際は、その手法が何を重視しているのかを比較すると分かりやすくなります。
ウォーターフォールモデルは、建設現場のように「要件定義→設計→開発→テスト」と工程を順番に完了させていく方式です。後戻りがしにくい反面、計画通りにプロジェクトを進めやすいというメリットがあります。しかし、開発期間が長くなると市場の変化に対応できず、完成した頃には要件が変わっていたという課題が生じやすくなります。
これに対し、アジャイルモデルは、短い期間で動くソフトウェアを段階的に開発・リリースしていく手法です。開発の途中で顧客からフィードバックを得たり、優先順位を見直したりできるため、現代のように変化の激しいビジネス環境において非常に重宝されます。
実務におけるモデルの選択
ITパスポートでこの知識を問うのは、すべてのシステム開発がアジャイルに向いているわけではないことを理解させるという意図があります。
例えば、銀行の基幹システムや物理的な機器の制御プログラムのように、一度決めた要件を厳密に守るべきプロジェクトでは、ウォーターフォールモデルが適しています。一方で、スマートフォンのアプリやWebサービスのように、ユーザーの反応を見ながら素早く機能を追加・変更していくプロジェクトではアジャイルモデルが選ばれます。
エンジニアやITを活用するビジネスパーソンには、開発対象の特性や組織の状況に合わせて、どちらのモデルを選択すべきか、あるいはそれらをどのように組み合わせるかを判断する視点が求められています。