令和8年度 ITパスポート試験 公開問題 問14 解説 ISO 26000
ISO 26000とは,組織の社会的責任についての国際規格である。ISO 26000で定められている,企業が果たすべき社会的責任を表す用語として,最も適切なものはどれか。
- ア CSR ✓ 正答
- イ SDGs
- ウ コーポレートガバナンス
- エ ソーシャルメディアポリシー
解説
選択のポイント
ISO 26000という規格名と、社会的責任というキーワードが結びついている選択肢を選びます。英語の「Corporate Social Responsibility(企業の社会的責任)」の頭文字をとった「CSR」が、問いで問われている内容と完全に一致します。
ISO 26000とCSRの基礎知識
ISO 26000は、国際標準化機構(ISO)が発行した、組織が社会的責任を果たすための手引きとなるガイドラインです。ここでのポイントは、対象が「企業(Corporate)」だけでなく、あらゆる規模・種類の「組織(Organization)」であるという点です。そのため、規格名には「Corporate」という言葉は含まれていません。
一方で、選択肢にあるCSRは「企業の社会的責任」を意味します。企業が利益を追求するだけでなく、環境への配慮、人権の尊重、地域貢献、法令順守などを通じて、社会全体の持続可能性に貢献するという考え方です。ISO 26000は、このCSRという概念を世界的に標準化し、実践しやすくするための道しるべとして機能しています。
他の選択肢について
イのSDGsは、2030年までに達成すべき国際的な目標(持続可能な開発目標)であり、CSRの活動を通して目指すべき「成果やゴール」と位置づけられます。 ウのコーポレートガバナンスは「企業統治」を指し、不正を防ぎ公正な経営を行うための仕組みです。 エのソーシャルメディアポリシーは、SNSを利用する際のガイドラインであり、特定のコミュニケーション手段に関するルールです。
なぜこの知識が重要なのか
現代のビジネスにおいて、企業は利益を出すことと同じくらい、社会から「信頼されること」が求められます。ISO 26000で定められた内容を知ることは、単なる知識としてだけでなく、企業がどのような姿勢で事業活動を行うべきかという経営の本質を理解することに繋がります。
就職活動や実務においても、その企業がどのような社会的責任を果たしているかという観点は、投資家からの評価や顧客の信頼獲得に直結します。ITパスポート試験でこの知識を問う意図は、ITエンジニアであっても「技術だけ提供すれば良い」という考え方から脱却し、社会の一員として責任ある行動をとる視点を持つことが求められているからです。