第三級海上特殊無線技士 / 第二級海上特殊無線技士 試験問題例題(法規 No.2) / 各問題解説 / 問7
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第二級海上特殊無線技士 試験問題例題(法規 No.2) 問7 解説 擬似空中線回路の使用

無線局がなるべく擬似空中線回路を使用しなければならないのはどの場合か。次のうちから選べ。

  1. 1 無線設備の機器の試験又は調整を行うために運用するとき。 ✓ 正答
  2. 2 工事設計書に記載した空中線を使用できないとき。
  3. 3 総務大臣の行う無線局の検査のために運用するとき。
  4. 4 他の無線局の通信に混信を与えるおそれがあるとき。

解説

この問題は、無線従事者としての運用上のマナーおよび法規上の基本ルールを問うものです。無線設備の調整を行う際、電波を空中に飛ばしてしまうと、他の通信の妨害や混信の原因となります。これを防ぐために「電波を放射せずに信号を確認する」仕組みが必要であり、その役割を果たすのが擬似空中線回路である、という点が判断の根拠となります。

擬似空中線回路とは何か

擬似空中線回路(ダミーロード)は、実際のアンテナの代わりに接続する抵抗器などの回路です。無線機から出力された高周波エネルギーを、電波として空間に放射するのではなく、すべて熱エネルギーとして消費するように設計されています。

この回路を使用すると、無線機側からは「正しくアンテナがつながっている」ように見えますが、外に対しては電波が一切出ないため、誰にも迷惑をかけずに無線機の出力測定や変調状態の確認を行うことができます。

試験や調整時に守るべきルールの考え方

無線局の運用において最優先されるのは、他の通信への影響を最小限に抑えることです。試験や調整は、あくまで「その無線機が正しく動作しているか」を確認するためのものであり、通信相手に意図的に電波を送り届ける目的ではありません。

したがって、試験や調整を行うという行為は、以下のプロセスで判断します。

  1. 現在の動作確認は、相手との通信を目的としているか?
  2. はいの場合:通常の空中線(アンテナ)を使用する。
  3. いいえの場合(試験・調整):電波が外部に漏れると混信の原因になるため、擬似空中線回路に切り替える。

この論理により、選択肢1が正解となります。他の選択肢である「工事設計書どおりにいかない場合」や「総務大臣の検査」といった状況は、機材の異常や法的な手続きに関わるものであり、今回問われている「運用の大原則」とは切り分けて考える必要があります。

実務における重要性

この知識は、試験に合格するためだけでなく、無線局を開局した後の実務で非常に重要です。例えば、無線機の設定を変更した直後や、機器の故障を疑った際、いきなりアンテナを接続した状態で送信ボタンを押すと、予期せぬ電波を発射して他者の通信を妨害するリスクがあります。

アマチュア無線や業務用無線の現場では、電源を入れた際やメンテナンス時には、まず「擬似空中線回路に切り替わっているか」を確認することが、オペレーターとして最も基本的な安全確認の一つとされています。この問題は、無線通信における「電波の公害」を防ぐための、最低限のルールを身につけているかを確認する教育的意図があります。

参考リンク

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