第三級海上特殊無線技士 / 第二級海上特殊無線技士 試験問題例題(法規 No.2) / 各問題解説 / 問10
certification-simodake-work

第二級海上特殊無線技士 試験問題例題(法規 No.2) 問10 解説 入港中の船舶局の運用

入港中の船舶の船舶局を運用することができないのはどの場合か。次のうちから選べ。

  1. 1 中短波帯(1,606.5kHzから4,000kHzまでの周波数帯をいう。)の周波数の電波を使用して通報を他の船舶局に送信する場合 ✓ 正答
  2. 2 26.175MHzを超え470MHz以下の周波数の電波により通信を行う場合
  3. 3 総務大臣が行う無線局の検査に際してその運用を必要とする場合
  4. 4 無線通信によらなければ他に陸上との連絡手段がない場合であって、急を要する通報を海岸局に送信する場合

解説

入港中の船舶局運用ルールの基本

入港中の船舶局は、原則として他局との混信や通信障害を防ぐために運用が禁止されています。しかし、人命安全に関わる事態や、法的な手続き上必要な通信については例外的に運用が許可されます。この問題を解く際の判断基準は、その通信が「やむを得ない緊急性や特別な事情があるか」にあります。

なぜ中短波帯の船舶間通信が禁止されるのか

船舶局の運用制限は、港内が過密な通信環境にあることを想定して定められています。特に1,606.5kHzから4,000kHzの中短波帯は、遠距離まで電波が届きやすいため、港内で不用意に使用すると広範囲の通信に影響を及ぼす可能性があります。単なる船舶間同士の通報であれば、電話やインターネットなど、無線局以外の通信手段に切り替えることが優先されるため、この条件での運用は認められていません。

試験問題を解くための思考のステップ

この問題を解く際は、提示された4つの選択肢を「緊急性・特殊性」と「通常業務」という観点で分類します。

  1. 選択肢1:船舶同士の日常的な連絡。これは緊急の必要性があるとは見なされず、入港中の運用は制限されます。
  2. 選択肢2:26.175MHzを超え470MHz以下の周波数。これは通常、VHF帯などの近距離通信を指します。港内での運用において、特定の周波数帯や条件を満たす場合は特例として認められる場面があるため、除外されます。
  3. 選択肢3:無線局の検査。これは法律上の義務であり、国からの検査を受けるために必要な運用であるため、許可されます。
  4. 選択肢4:陸上との連絡手段がない緊急時。人命や船舶の安全に関わる緊急の通信は、どのような状況であっても優先されます。

このように、選択肢3と4は「やむを得ない正当な理由」があるため運用可能と判断し、残った選択肢から「通常業務の範囲内か否か」を検討することで正解にたどり着くことができます。

実務における船舶局運用の意義

船舶局の運用制限は、単なるルールではなく「港内の秩序維持」という重要な役割を担っています。港内には多くの船舶が密集しており、電波環境を適切に管理しなければ、救難信号や港湾管理者からの重要な指示が他の不要な通信によってかき消される恐れがあるからです。三級海上特殊無線技士の資格を持つオペレーターには、どの通信が優先されるべきかを正しく判断する能力が求められています。緊急時とそうでない時の切り分けを理解しておくことは、実際の運航現場において、通信の優先順位を判断する重要な判断材料となります。

参考リンク

学習の記録にははてなブックマーク!

気づいたこと・覚えたことをコメントにメモしよう