第三種電気主任技術者試験 / 令和4年度第三種電気主任技術者下期試験 電力科目 / 各問題解説 / 問130
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令和4年度第三種電気主任技術者下期試験 電力科目 問130 解説 問13 令和4年度第三種電気主任技術者下期試験 電力科目 問13

問13 問 13 低圧ネットワーク方式(レギュラーネットワーク方式ともいう)では,給電線である複数の特別高圧配電線路から,ネットワーク変圧器を経て,低圧配電線路に電力が供給される。低圧ネットワーク方式に関する記述として,誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

  1. (1) 一般的に,ネットワーク変圧器二次側に,保護装置としてネットワークプロテクタが設置されており,ネットワーク変圧器一次側の遮断器やヒューズを省略することができる。
  2. (2) 低圧配電線路を格子状に接続したネットワークから,各需要家に供給する。
  3. (3) 給電線のうちの一つに事故が発生すると,他の健全な給電線に供給系統を切り替える間,低圧配電線路が停電する。 ✓ 正答
  4. (4) 樹枝状配電線路と比較して電圧変動や電力損失を小さくすることができる。
  5. (5) 建設費が高くなるので,大都市のような需要家の多い地域で用いられる。

解説

給電線の1回線で事故が発生しても、他の健全な給電線からネットワーク変圧器およびネットワークプロテクタを介して無停電で電力を供給し続けられるため、事故の切り替え時に低圧配電線路が停電すると記述している選択肢(3)が誤りであり、この問いの正答となります。

低圧ネットワーク方式の構造と信頼性を支える法則

低圧ネットワーク方式(レギュラーネットワーク方式)は、信頼性が極めて高い配電方式であり、大都市の中心部など需要密度が非常に高い地域に採用されます。この方式では、同一の変電所から引き出された複数の特別高圧配電線(通常3〜4回線)から、それぞれネットワーク変圧器を介して、格子状(メッシュ状)に構成された共通の低圧配電線路に並列に電力を供給します。

この無停電供給の仕組みを物理的に支えているのが、電気回路における基本的な性質である「キルヒホッフの第一法則(電流法則)」です。キルヒホッフの第一法則は、回路の任意の接続点において、流れ込む電流の総和と流れ出る電流の総和が常に等しくなることを示しています。

低圧ネットワーク方式では、複数のネットワーク変圧器の二次側(低圧側)が、格子状の低圧配電線路によってすべて並列に接続されています。各需要家への供給点は、この巨大な格子状回路における電流の分岐点(接続点)に相当します。キルヒホッフの第一法則に従えば、仮に1つの給電線や変圧器がトラブルで停止して電流の供給が途絶えたとしても、並列に接続された他の健全な変圧器から格子状の経路を経由して電流が合流するため、需要家への電力供給は一切途絶えることなく維持されます。

また、この無停電供給を安全に維持するために、変圧器の二次側には保護装置として「ネットワークプロテクタ」が設置されています。ネットワークプロテクタは以下の3つの主要な機能(プロテクタ特性)を持ち、これが系統の安定運転を可能にしています。

  • 逆電力遮断:給電線やネットワーク変圧器の一次側で事故が発生した場合、低圧配電線路から事故点に向かって電流が逆流するのを防ぐため、自動的にプロテクタ遮断器を開放します。
  • 無電圧投入:復旧した給電線が送電を開始した際、低圧配電線路が無電圧であれば、自動的にプロテクタ遮断器を投入します。
  • 差電圧投入:復旧した給電線が送電を開始した際、変圧器二次側の電圧が低圧配電線路の電圧よりも高く、かつ適切な位相差であれば、自動的にプロテクタ遮断器を投入します。

これらの機能により、事故が発生した給電線だけを他の健全な系統から自動かつ瞬時に切り離すことができるため、給電線の一次側にある遮断器やヒューズを省略することが可能になります。

低圧ネットワーク方式における事故時の電力供給挙動

  1. 給電線の1回線で地絡や短絡などの事故が発生すると、事故が起きた系統に接続されているネットワーク変圧器の一次側の電圧が低下します。このとき、低圧配電線路側は他の健全な給電線から送電されているため高い電圧が維持されており、結果として低圧側から事故の起きた変圧器を通して事故点へ電流が逆流しようとします。
  2. この逆流電流をネットワークプロテクタが即座に検知し、逆電力遮断機能によって事故回線のプロテクタ遮断器のみを自動的に開放します。これにより、事故を起こした系統だけが低圧配電線路から完全に切り離されます。
  3. 事故系統が切り離されている間も、格子状に結ばれた低圧配電線路には、他の健全な給電線に繋がるネットワーク変圧器からキルヒホッフの第一法則に従って電流が供給され続けます。切り替え動作のための時間的なギャップや停電時間は発生せず、需要家への電力供給は完全に無停電で継続されます。

複数の給電線から格子状の低圧線へと繋がる全体のつながりと、事故時に逆流する電流を遮断するネットワークプロテクタの位置関係を重ねてみると、無停電で電力を送り続けるネットワーク方式の堅牢な仕組みが見えてきます。

参考リンク

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