第三種電気主任技術者試験 / 令和4年度第三種電気主任技術者下期試験 理論科目 / 各問題解説 / 問140
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令和4年度第三種電気主任技術者下期試験 理論科目 問140 解説 問14 問14 データ変換に関する記述として、誤っているものを次の(1)~(5)のうちから選べ。

設問図

問14 データ変換に関する記述として、誤っているものを次の(1)~(5)のうちから選べ。 (1) アナログ量を忠実に再現するために必要な標本化の周期の上限は、再現したいアナログ量の最高周波数により決まる。 (2) 量子化において、一般には数値に誤差が生じる。 (3) 符号化では、量子化された数値が2進符号などのディジタル信号に変換される。 (4) ディジタル量は、伝送路の環境変化や伝送路で混入する雑音に強い。 (5) ディジタルオシロスコープで変化する電圧の波形を電気信号を表示するには、その電圧をアナログ・ディジタル変換してからコンピュータでFFT演算を行い、その結果を出力する。

  1. (1) アナログ量を忠実に再現するために必要な標本化の周期の上限は、再現したいアナログ量の最高周波数により決まる。
  2. (2) 量子化において、一般には数値に誤差が生じる。
  3. (3) 符号化では、量子化された数値が2進符号などのディジタル信号に変換される。
  4. (4) ディジタル量は、伝送路の環境変化や伝送路で混入する雑音に強い。
  5. (5) ディジタルオシロスコープで変化する電圧の波形を電気信号を表示するには、その電圧をアナログ・ディジタル変換してからコンピュータでFFT演算を行い、その結果を出力する。 ✓ 正答

解説

問14 データ変換に関する記述として、誤っているものはどれか

正答は(5)です。ディジタルオシロスコープで観測した信号は既にディジタルデータであるため、コンピュータでFFT演算を行う前に再度アナログ・ディジタル変換を行う必要はありません。

アナログ・ディジタル変換の基本概念

データ変換は、アナログ信号をディジタル信号に変換するプロセスであり、以下の3つの主要なステップで構成されます。

  1. 標本化(Sampling): アナログ信号の値を、一定の時間間隔で抜き取る操作です。この時間間隔(標本化周期)の上限は、再現したいアナログ信号の最高周波数の2倍以上である必要があります。これは、ナイキスト・シャノンの標本化定理として知られています。標本化周期がこの条件を満たさない場合、元の信号を忠実に再現できず、折り返し雑音(エイリアシング)が発生します。

  2. 量子化(Quantization): 標本化によって得られたアナログ値を、あらかじめ定められた離散的な値のいずれかに割り当てる操作です。アナログ値は連続的であるため、量子化の過程で必ず誤差が生じます。この誤差は量子化誤差と呼ばれ、量子化ビット数が増えるほど小さくなります。

  3. 符号化(Encoding): 量子化された数値を、コンピュータで扱える形式、例えば2進数などのディジタル信号に変換する操作です。これにより、信号は数値データとして扱えるようになります。

選択肢の評価

  • (1) アナログ量を忠実に再現するために必要な標本化の周期の上限は、再現したいアナログ量の最高周波数により決まる。 これは標本化定理に基づいた正しい記述です。標本化定理によれば、元の信号を正確に復元するためには、標本化周波数は信号の最高周波数の2倍(ナイキスト周波数)以上である必要があります。標本化周期はこの標本化周波数の逆数なので、最高周波数によって標本化周期の上限が決まります。

  • (2) 量子化において、一般には数値に誤差が生じる。 これも正しい記述です。量子化は、連続的なアナログ値を離散的な値に丸める操作であるため、必ず量子化誤差が生じます。

  • (3) 符号化では、量子化された数値が2進符号などのディジタル信号に変換される。 これも正しい記述です。符号化の目的は、量子化された数値をコンピュータが理解できるディジタル形式に変換することです。

  • (4) ディジタル量は、伝送路の環境変化や伝送路で混入する雑音に強い。 これも正しい記述です。ディジタル信号は、ある閾値を超えれば「1」、下回れば「0」として認識されるため、アナログ信号に比べてノイズの影響を受けにくいという利点があります。復調時に誤りを訂正する機能を持たせることも可能です。

  • (5) ディジタルオシロスコープで変化する電圧の波形を電気信号を表示するには、その電圧をアナログ・ディジタル変換してからコンピュータでFFT演算を行い、その結果を出力する。 この記述が誤りです。ディジタルオシロスコープは、内部で入力されたアナログ信号を既にアナログ・ディジタル変換(ADC)しています。その結果、得られたディジタルデータに対してコンピュータでFFT(高速フーリエ変換)演算を行い、周波数スペクトルなどの結果を出力するのが一般的な処理の流れです。したがって、ディジタルオシロスコープで観測された信号を、再度アナログ・ディジタル変換する必要はありません。

ディジタルオシロスコープの内部処理を想像すると、入力されたアナログ電圧波形が、まずADC(Analog-to-Digital Converter)によってサンプリングされ、量子化・符号化されてディジタルデータとなります。このディジタルデータがメモリに格納され、必要に応じてFFTなどの信号処理がコンピュータ上で実行されます。

参考リンク

ディジタルオシロスコープの画面に表示される波形と、コンピュータで実行されるFFT演算の関係を改めて見直してみましょう。

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