令和4年度第三種電気主任技術者下期試験 理論科目 問151 解説 問15(a) 大問15
問15(a) 図のように、抵抗 6Ω と誘導性リアクタンス 8Ω を Y 結線し、抵抗 r[Ω] を Δ 結線した平衡三相負荷に、200 V の対称三相交流電源を接続した回路がある。抵抗 6Ω と誘導性リアクタンス 8Ω に流れる電流の大きさを I<sub>s</sub> [A]、抵抗 r[Ω] に流れる電流の大きさを I<sub>r</sub> [A] とする。電流 I<sub>s</sub> [A] と I<sub>r</sub> [A] の大きさ が等しいとき、次の (a) 及び (b) の問いに答えよ。 抵抗 r[Ω] の値 [Ω] として、最も近いものを次の (1)~(5) のうちから一つ選べ。
- 6.0
- 10.0
- 11.5
- 17.3 ✓ 正答
- 19.2
解説
正答は17.3Ωです。これは、Y結線されたインピーダンスとΔ結線されたインピーダンスを等価変換し、線電流と相電流の関係を考慮することで導かれます。
平衡三相負荷におけるY結線とΔ結線の等価変換
この問題では、抵抗と誘導性リアクタンスで構成されるY結線負荷と、抵抗のみで構成されるΔ結線負荷が接続されています。これらの負荷を解析するためには、Y結線とΔ結線の等価変換の考え方が不可欠です。
- Y-Δ変換: Y結線の各相インピーダンスを とするとき、これと等価なΔ結線の各相インピーダンス は、以下の関係で求められます。
- Δ-Y変換: Δ結線の各相インピーダンスを とするとき、これと等価なY結線の各相インピーダンス は、以下の関係で求められます。
この問題では、Y結線されている抵抗 と誘導性リアクタンス の組み合わせを、Δ結線されている抵抗 と等価な負荷として扱うために、Y-Δ変換を行います。
回路の解析手順
Y結線部分のインピーダンスの合成: Y結線されている抵抗 と誘導性リアクタンス は直列に接続されています。したがって、Y結線の一相あたりのインピーダンス は、 となります。
Y結線部分をΔ結線に等価変換: このY結線部分を、等価なΔ結線負荷に変換します。Y-Δ変換の公式 を用いると、等価なΔ結線負荷の一相あたりのインピーダンス は、 となります。
回路全体のインピーダンスの把握: 問題文では、Y結線されている抵抗 と誘導性リアクタンス に流れる電流の大きさを 、抵抗 に流れる電流の大きさを と定義しています。さらに、Y結線部分のインピーダンスとΔ結線部分のインピーダンスが並列に接続されていると解釈できます。 ここで、Y結線部分に流れる電流 は、Y結線の一相あたりにかかる電圧 を、Y結線の一相あたりのインピーダンス で割ったものになります。 一方、Δ結線部分に流れる電流 は、Δ結線の一相あたりの電圧 を、Δ結線の一相あたりのインピーダンス で割ったものになります。
ここで、電源電圧が200V(線間電圧)であり、Y結線負荷は電源に直接接続されているため、Y結線の一相あたりの電圧 は線間電圧 を で割ったものになります。 Y結線の一相あたりのインピーダンスの大きさは、 したがって、 の大きさは、
次に、Δ結線部分に流れる電流 について考えます。Δ結線負荷に電源が接続されている場合、Δ結線の一相あたりの電圧 は線間電圧 と等しくなります。 Δ結線の一相あたりのインピーダンスは です。したがって、 の大きさは、
電流の大きさが等しい条件からのrの算出: 問題文の条件より、電流 と の大きさが等しいとき、 この式を について解きます。
であるため、
この値に最も近い選択肢は 17.3 です。
抵抗 の値が 17.3Ω に最も近くなることを、Y結線とΔ結線の等価変換、および線電流と相電流の関係に注目して確認できます。