問16(b) 正答は (3)
小問(a)の接続を基に、直流電流150Aを測定するために、直流電流計A₂に抵抗Rを直列に接続する際、抵抗Rの値が 8×10−5Ω であれば、各直流電流計の指示を最大目盛にすることができます。
並列接続による電流測定範囲の拡張
電流計を並列に接続して使用する目的は、測定できる電流の最大値を拡張することにあります。それぞれの電流計には内部抵抗があり、それに流せる電流の範囲が決まっています。より大きな電流を測定したい場合、電流計の内部抵抗と並列に、抵抗値の小さい抵抗器(シャント抵抗と呼ばれます)を接続します。これにより、大きな電流の大部分はシャント抵抗を流れ、電流計にはその一部だけが流れるようになり、電流計の指示が最大目盛に達したとき、全体の電流を計算することができます。
直流電流計 A₁ と A₂ の特性
問題文によると、直流電流計 A₁ は最大目盛 50 A、内部抵抗 0.8×10−3Ω です。直流電流計 A₂ は最大目盛 100 A、内部抵抗 0.32×10−3Ω です。
電流計の並列接続における等価抵抗の計算
小問(a)で、二つの直流電流計を並列に接続した場合の合成抵抗を計算します。並列回路の合成抵抗 Req は、各抵抗 R1,R2 に対して以下の式で求められます。
Req1=R11+R21
ここで、R1 は直流電流計 A₁ の内部抵抗 0.8×10−3Ω、R2 は直流電流計 A₂ の内部抵抗 0.32×10−3Ω です。
Req1=0.8×10−3Ω1+0.32×10−3Ω1
Req1=0.8103+0.32103=1250+3125=4375Ω−1
したがって、合成抵抗 Req は次のようになります。
Req=43751Ω≈0.2286×10−3Ω=0.02286×10−2Ω
抵抗 R の計算
小問(b)では、小問(a)で求めた接続を基にし、直流電流 150 A を測定するために、直流電流計 A₂ に抵抗 R[Ω] を直列に接続します。各直流電流計の指示を最大目盛にするということは、直流電流計 A₁ には 50 A、直流電流計 A₂ には 100 A が流れる状態を指します。
このとき、電流計 A₁ と A₂ および抵抗 R は、全体として並列に接続された状態と考えることができます。ただし、抵抗 R は A₂ に直列に接続されているため、A₂ と R は一つの回路素子として扱われます。
回路全体に流れる電流 Itotal=150A です。
直流電流計 A₁ に流れる電流 IA1=50A(最大目盛)
直流電流計 A₂ に流れる電流 IA2=100A(最大目盛)
このとき、合成抵抗 Req は 0.2286×10−3Ω です。
全体に流れる電流150Aのうち、A₁に50Aが流れるということは、残りの100Aは A₂ およびそれに直列につながる R に流れることになります。
A₂ に直列に抵抗 R を接続したときの、A₂ と R を合わせた合成抵抗を RA2_total とします。
RA2_total=RA2+R=0.32×10−3Ω+R
回路全体は、A₁ と、RA2_total が並列に接続された形になっています。
これらの並列回路にかかる電圧は等しくなります。
A₁ にかかる電圧 VA1=IA1×RA1=50A×0.8×10−3Ω=40×10−3V=0.04V
A₂ と R にかかる電圧 VA2_total=IA2×RA2_total=100A×(0.32×10−3Ω+R)
これらの電圧は等しいので、
0.04V=100A×(0.32×10−3Ω+R)
この式を R について解きます。
100A0.04V=0.32×10−3Ω+R
0.0004Ω=0.32×10−3Ω+R
0.4×10−3Ω=0.32×10−3Ω+R
R=(0.4−0.32)×10−3Ω
R=0.08×10−3Ω
R=8×10−5Ω
したがって、抵抗 R として最も近い値は 8×10−5Ω です。
参考リンク
二つの直流電流計と追加する抵抗 R が、それぞれどのような電圧降下を起こしているのかを、各電流計が最大目盛を示しているという条件で比較してみましょう。