第三種電気主任技術者試験 / 令和5年度第三種電気主任技術者下期試験 機械科目 / 各問題解説 / 問152
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令和5年度第三種電気主任技術者下期試験 機械科目 問152 解説 問15(b) 問15

設問図

問15(b) 定格出力15kW, 定格周波数60Hz, 4極の三相誘導電動機があり, トルク一定の負荷を負って運転している。この電動機について, 次の(a)及び(b)の問に答えよ。インバータにより一次周波数制御を行って, 一次周波数を40Hzとしたときの回転速度[min^-1]として, 最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。ただし, 滑り周波数は一次周波数にかかわらず常に一定とする。

  1. 1146 ✓ 正答
  2. 1164
  3. 1433
  4. 1455
  5. 1719

解説

一次周波数を40Hzに変更した際、滑り周波数を一定に保つという条件のもとで同期速度に対する滑りの割合を計算することで、回転速度は1146min^-1となります。

三相誘導電動機の回転原理と滑り周波数

三相誘導電動機において、固定子に供給される一次周波数を ff [Hz]、極数を pp とすると、回転磁界の速さである同期速度 NsN_s [min^-1] は以下の式で表されます。

Ns=120f/pN_s = 120f / p

電動機の実際の回転速度 NN [min^-1] は、同期速度よりもわずかに遅くなります。この速度差である「滑り速度」に対応する周波数が滑り周波数 fsf_s [Hz] です。同期速度に対する滑り ss は、滑り周波数と一次周波数の比として s=fs/fs = f_s / f と定義されます。したがって、回転速度 NN は次のようになります。

N=Ns(1−s)=Ns(1−fs/f)N = N_s(1 - s) = N_s(1 - f_s / f)

ここで、負荷のトルクが一定であるとき、滑り周波数 fsf_s は周波数が変化しても一定であるという特性を利用します。

インバータ制御時の回転速度算出

問題で与えられた条件に基づき、一次周波数 f′=40f' = 40 Hz としたときの回転速度を以下の手順で求めます。

  1. 定格運転時の滑り周波数 fsf_s を特定する 前問(a)より、定格周波数 f=60f = 60 Hz、定格回転速度 N=1746N = 1746 min^-1のとき、同期速度 Ns=120×60/4=1800N_s = 120 \times 60 / 4 = 1800 min^-1です。滑り s=(1800−1746)/1800=54/1800=0.03s = (1800 - 1746) / 1800 = 54 / 1800 = 0.03 となり、滑り周波数 fs=s×f=0.03×60=1.8f_s = s \times f = 0.03 \times 60 = 1.8 Hz と決まります。

  2. 40Hz運転時の同期速度 Ns′N_s' を計算する 一次周波数 f′=40f' = 40 Hz において、同期速度 Ns′=120×40/4=1200N_s' = 120 \times 40 / 4 = 1200 min^-1 となります。

  3. 新しい滑り s′s' を用いて回転速度 N′N' を求める 滑り周波数は一定であるため fs=1.8f_s = 1.8 Hz を維持します。このときの滑り s′=fs/f′=1.8/40=0.045s' = f_s / f' = 1.8 / 40 = 0.045 です。よって、求める回転速度 N′N' は以下の通りです。 N′=Ns′(1−s′)=1200×(1−0.045)=1200×0.955=1146N' = N_s'(1 - s') = 1200 \times (1 - 0.045) = 1200 \times 0.955 = 1146 min^-1

一次周波数という回転磁界の速さと、滑り周波数という電動機内部の滑りの成分を重ねてみると、負荷条件が変わらないときの回転速度の変化が見えてきます。

参考リンク

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