令和5年度第三種電気主任技術者下期試験 機械科目 問151 解説 問15(a) 問15
問15(a) 定格出力15kW, 定格周波数60Hz, 4極の三相誘導電動機があり, トルク一定の負荷を負って運転している。この電動機について, 次の(a)及び(b)の問に答えよ。定格回転速度1746min^-1で運転しているときの滑り周波数の値[Hz]として, 最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 1.50
- 1.80 ✓ 正答
- 1.86
- 2.10
- 2.17
解説
三相誘導電動機において、定格周波数60Hz、4極の条件で定格回転速度が1746min^-1であるとき、滑り周波数は回転子に流れる電流の周波数に相当し、同期速度と実際の回転速度の差を反映して1.80Hzとなります。
三相誘導電動機の回転原理と滑り
三相誘導電動機では、固定子巻線に三相交流を加えることで回転磁界が発生します。この回転磁界の速度を同期速度と呼び、電源周波数と極数を用いて以下の式で表されます。
電動機の回転子はこの回転磁界を追いかけるように回りますが、同期速度と全く同じ速度で回ると磁束の変化がなくなり、トルクが発生しなくなります。そのため、実際の回転速度は常に同期速度よりもわずかに遅くなります。この同期速度と実際の回転速度の差の割合を「滑り」と呼び、以下の関係が成り立ちます。
また、滑りは回転子に流れる電流の周波数(滑り周波数)とも密接に関係しており、以下の式で求められます。
この滑り周波数は、回転子導体を横切る回転磁界の相対的な速度に対応しており、負荷の増減に応じて電動機の回転速度が変化することで、滑りや滑り周波数も変動します。
滑り周波数の算出
与えられた条件を順に適用して値を導出します。
同期速度の算出 極数、周波数を同期速度の式に代入します。
滑りの算出 同期速度1800min^-1と回転速度1746min^-1を用いて、滑りを求めます。
滑り周波数の算出 滑りと電源周波数を滑り周波数の式に代入します。
電動機の定格回転速度1746min^-1という数値に、同期速度とのわずかな差を重ねてみると、回転子を貫く磁束の滑り速度である1.80Hzが浮かび上がってきます。