第三種電気主任技術者試験 / 令和5年度第三種電気主任技術者下期試験 機械科目 / 各問題解説 / 問20
certification-simodake-work

令和5年度第三種電気主任技術者下期試験 機械科目 問20 解説 問2 問2

設問図

問2 界磁に永久磁石を用いた小形直流電動機がある。この電動機の電機子に12Vの電圧を加えたところ,無負荷の状態で3000min^-1で回転した。この電圧を維持したまま負荷を与えて,2Aの電機子電流を流したところ,損失が3W発生した。この時の回転数[min^-1]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。ただし,ブラシの接触による電圧降下及び電機子反作用は無視できるものとし,損失は電機子巻線の銅損しか存在しないものとする。

  1. 2250
  2. 2625 ✓ 正答
  3. 2813
  4. 3000
  5. 3429

解説

永久磁石を用いた直流電動機において、電機子抵抗による電圧降下を差し引いた逆起電力の値に基づき、比例関係から回転数を算出することで、負荷時の回転数は2625min^-1となります。

直流電動機の基礎方程式と逆起電力

直流電動機の電機子回路では、端子電圧をVV、電機子電流をIaI_a、電機子抵抗をRaR_a、逆起電力をEEとすると、次の電圧方程式が成り立ちます。

V=E+IaRaV = E + I_a R_a

ここで、逆起電力EEは磁束Φ\Phiと回転数NNに比例し、E=kΦNE = k\Phi N(kkは比例定数)と表されます。本問のように界磁に永久磁石を用いる場合、磁束Φ\Phiは一定であるため、逆起電力は回転数のみに比例します。

無負荷のとき、電機子電流はほぼゼロであるため、端子電圧はそのまま逆起電力となります。この状態を基準にすることで、電動機固有の定数であるkΦk\Phiを特定できます。

負荷時の回転数を導く手順

電動機の状態変化を、次のステップで順に追います。

  1. 無負荷時の逆起電力と比例定数の特定 無負荷時は電機子電流Ia=0I_a = 0であるため、逆起電力E0=V=12E_0 = V = 12Vです。このときの回転数N0=3000N_0 = 3000min^-1を用いて、比例定数kΦk\Phiを求めます。 kΦ=E0/N0=12/3000=0.004k\Phi = E_0 / N_0 = 12 / 3000 = 0.004 V/(min^-1)

  2. 電機子抵抗の算出 負荷を与えた際に発生した損失P=3P = 3Wが、電機子巻線の銅損(Ia2RaI_a^2 R_a)のみであるという条件を用います。電流Ia=2I_a = 2Aのとき、 3=22×Ra=4Ra3 = 2^2 \times R_a = 4 R_a Ra=3/4=0.75R_a = 3 / 4 = 0.75 Ω\Omega

  3. 負荷時の逆起電力と回転数の決定 負荷時の端子電圧12Vから、内部の電圧降下を引いた値がこの時の逆起電力EEとなります。 E=V−IaRa=12−(2×0.75)=12−1.5=10.5E = V - I_a R_a = 12 - (2 \times 0.75) = 12 - 1.5 = 10.5 V 先ほど求めた比例定数kΦ=0.004k\Phi = 0.004を用いて、回転数NNを導きます。 N=E/(kΦ)=10.5/0.004=2625N = E / (k\Phi) = 10.5 / 0.004 = 2625 min^-1

電機子回路の電圧バランスと回転数の比例関係を重ねてみると、電流が増えることで失われる電圧分と、それに伴う回転の減少が見えてきます。

参考リンク

学習の記録にははてなブックマーク!

気づいたこと・覚えたことをコメントにメモしよう