令和5年度第三種電気主任技術者下期試験 機械科目 問90 解説 問9 問9
問9 変圧器の規約効率を計算する場合, 巻線の抵抗値を75℃の基準温度の値に補正する。ある変圧器の巻線の温度と抵抗値を測ったら, 20℃のとき1.0Ωであった。この変圧器の75℃における巻線抵抗値[Ω]として, 最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。ただし, 巻線は銅導体であるものとし, T[℃]とt[℃]の抵抗値の比は, (235+T):(235+t)である。
- 0.27
- 0.82
- 1.22 ✓ 正答
- 3.75
- 55.0
解説
20℃のときに1.0Ωであった銅導体の巻線抵抗は、温度による変化の比率を適用することで、75℃において約1.22Ωとなります。
抵抗の温度変化と温度係数
金属導体の電気抵抗は温度によって変化します。特に銅のような金属は、温度が上昇すると電気抵抗値も大きくなる性質があります。この変化を計算するために用いられるのが抵抗温度係数に関連する公式です。
変圧器の巻線のような銅導体の場合、ある温度 [℃] での抵抗値 [Ω] と、別の温度 [℃] での抵抗値 [Ω] の間には、以下の比例関係が成り立ちます。
ここで「235」という数値は、銅の電気抵抗が絶対零度(-273.15℃)に近い値に向かって変化すると仮定したときの、温度補正のための定数です。この比の式を変形すると、ある温度での抵抗値から別の温度での抵抗値を求めることができます。
75℃における抵抗値の算出
与えられた条件を上記の関係式に当てはめ、計算を進めます。
既知の条件を整理します。 測定時の温度 [℃] における抵抗値 [Ω] です。 求めたいのは、基準温度 [℃] における抵抗値 [Ω] です。
関係式を について整理します。
具体的な数値を代入して計算します。 [Ω]
計算結果から、75℃における抵抗値は約1.22Ωとなります。
測定した「20℃の抵抗値」と、補正が必要な「基準温度の差」に注目してみると、温度上昇に伴って抵抗値がどのように膨らんでいくのかが見えてきます。