第三種電気主任技術者試験 / 令和5年度第三種電気主任技術者下期試験 理論科目 / 各問題解説 / 問30
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令和5年度第三種電気主任技術者下期試験 理論科目 問30 解説 問3 問3

設問図

問3 次の文章は,強磁性体の応用に関する記述である。磁界中に強磁性体を置くと,周囲の磁束は,磁束が(ア)強磁性体の(イ)を通るようになる。このとき,強磁性体を中空にしておくと,中空の部分には外部の磁界の影響がほとんど及ばない。このように,強磁性体でまわりを囲んで,磁界の影響が及ばないようにすることを(ウ)という。上記の記述中の空白箇所(ア)~(ウ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

  1. (1) 通りにくい,内部,磁気遮へい
  2. (2) 通りにくい,外部,磁気遮へい
  3. (3) 通りにくい,外部,静電遮へい
  4. (4) 通りやすい,内部,磁気遮へい ✓ 正答
  5. (5) 通りやすい,内部,静電遮へい

解説

磁界中に強磁性体を置くと、磁束は透磁率が極めて高い強磁性体の内部に引き寄せられて通り、外部磁界の影響を遮断する磁気遮へいという現象が起こります。

強磁性体と磁束の振る舞い

磁性体には外部から磁界を与えられたときに磁化される性質があり、特に鉄やニッケルのような強磁性体は、真空(または空気)と比較して圧倒的に高い透磁率を持っています。磁気回路において、磁束は磁気抵抗の小さい部分を通りやすいという性質があるため、強磁性体を磁界中に置くと、周囲に広がっていた磁束は強磁性体の内部を優先的に通るようになります。

この性質を利用し、強磁性体で囲まれた空間を作ることで、外部磁界のほとんどを強磁性体の壁の中を通すことができます。その結果、中空部分には磁界がほとんど浸入しなくなり、外部からの磁気的な影響を遮断できるのです。これが磁気遮へいの原理です。

磁気遮へいと静電遮へいの違い

一方、導体を用いて外部からの電界の影響を遮断する技術を静電遮へいといいます。導体は内部の電界を打ち消すように電荷が再分布するため、中空の導体内部の電位は均一になり、外部電界の影響を受けません。今回の設問は磁界に対する遮断技術を問うているため、磁気遮へいが当てはまります。

磁気現象の判断ステップ

  1. 強磁性体の性質を考慮すると、周囲の磁束は強磁性体が存在しない空間よりも、透磁率の高い強磁性体の内部を通る方が磁気抵抗が小さくなるため、通りやすいことが確定します。
  2. 磁束が強磁性体の内部を通ることで中空部分の磁束密度が極めて低くなる現象は、磁気的な影響を遮断する手法であるため、これを磁気遮へいと呼びます。

強磁性体で囲まれた内部と外部における磁束の分布を想像すると、その空間がどのように守られているのかが見えてきます。

参考リンク

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