令和5年度第三種電気主任技術者下期試験 理論科目 問70 解説 問7 問7
問7 図のように, 抵抗, 切換スイッチS及び電流計を接続した回路がある。この回路に直流電圧100Vを加えた状態で, 図のようにスイッチSを開いたとき電流計の指示値は2.0Aであった。また, スイッチSを(1)側に閉じたとき電流計の指示値は2.5A, スイッチSを(2)側に閉じたとき電流計の指示値は5.0Aであった。このとき, 抵抗rの値を求めよ。ただし, 電流計の内部抵抗は無視できるものとし, 測定誤差はないものとする。
- 20
- 30
- 40
- 50
- 60 ✓ 正答
解説
スイッチSを開いたとき、抵抗R1とR2が直列に接続されて電流が2.0A流れるため、抵抗の和が50Ωとなり、スイッチの状態に応じた合成抵抗の変化から抵抗rの値が60Ωと決まります。
オームの法則と回路の合成抵抗
電気回路において、回路全体に加わる電圧V[V]、流れる電流I[A]、および回路全体の合成抵抗R[Ω]の間には、オームの法則 という関係が成り立ちます。この法則から、回路全体の抵抗は として求めることができます。
複数の抵抗が接続された回路では、接続方法によって回路全体の合成抵抗が変化します。
- 直列接続: 抵抗同士を一直線につなぐ方法で、合成抵抗は各抵抗の和(R1 + R2)となります。
- 並列接続: 電圧を分かち合うよう枝分かれさせてつなぐ方法で、合成抵抗は逆数の和を用いて計算されます。例えば2つの抵抗が並列の場合、その合成抵抗は と表されます。
回路の状態ごとの解析
図の回路において、スイッチの状態に応じて電流計が示す値が変化する理由は、回路全体の合成抵抗が変化しているためです。
スイッチSを開いたとき 回路はR1とR2が直列に接続された状態となります。回路全体の合成抵抗は であり、オームの法則により が成立します。これより という式が得られます。
スイッチSを(2)側に閉じたとき 抵抗R1とR2が並列に接続された状態となります。回路全体の合成抵抗は となり、電流が5.0A流れることから、、つまり合成抵抗は20Ωとなります。先ほどの を代入すると、 となり、 が求められます。
抵抗値の特定 和が50、積が1000となる2つの数値は、二次方程式 の解である20と30です。ここで、スイッチSを(1)側に閉じたときには、R1と、R2およびrの並列回路が直列に接続される構造になります。電流が2.5A流れるときの合成抵抗は Ωです。もし とすると、並列部分の合成抵抗は Ωである必要があります。並列部分の式は となり、 を代入すると から 、すなわち となり、Ωが導かれます。
スイッチの切り替えによって電流の通り道がどのように変化し、どの抵抗が並列や直列の関係になるのかを改めて図の上で辿ってみると、抵抗値が確定する仕組みが見えてきます。