令和5年度第三種電気主任技術者上期試験 法規科目 問40 解説 問4 問4
問4 次の文章は、「電気設備技術基準の解釈」に基づく太陽電池モジュールの絶縁性能に関する記述の一部である。太陽電池モジュールは、最大使用電圧の 1.5 倍の直流電圧又は (ア) 倍の交流電圧に (イ) V 未満となる場合は、 (イ) V を充電部分と大地との間に連続して (ウ) 分間加えたとき、これに耐える性能を有すること。
- (1) (ア) 1 (イ) 500 (ウ) 10 ✓ 正答
- (2) (ア) 1 (イ) 300 (ウ) 10
- (3) (ア) 1.1 (イ) 500 (ウ) 1
- (4) (ア) 1.1 (イ) 600 (ウ) 1
- (5) (ア) 1.1 (イ) 300 (ウ) 1
解説
太陽電池モジュールの絶縁耐力試験については、試験電圧の算出基準および印加時間が規定されており、最大使用電圧が500V未満である場合には、交流電圧の倍率を1倍、試験電圧を500V、印加時間を10分間とすることが求められています。
絶縁性能の試験条件と規定の考え方
電気設備の安全を確保するため、太陽電池モジュールなどの電気機器には、通常の使用状態よりも高い電圧を一定時間印加する「絶縁耐力試験」が義務付けられています。この試験は、モジュールの絶縁部分が経年劣化や環境条件の変化に対しても十分に耐え、漏電や短絡事故を防止できる性能を有しているかを確認するものです。
「電気設備技術基準の解釈」では、モジュールの最大使用電圧に応じた試験条件を細かく定めています。基準の主眼は、想定される最大使用電圧に対して、絶縁破壊を起こさない十分な余裕を持たせることにあります。具体的には、試験電圧として「最大使用電圧の1.5倍の直流電圧」または「規定の倍率をかけた交流電圧」のいずれかを選択しますが、算出された試験電圧が低い場合でも、一定の電圧値(最小試験電圧)を下回らないように規定することで、設備の安全性に下限を設けています。
絶縁耐力の適用手順
太陽電池モジュールの絶縁性能を評価するための判断ステップは以下の通りです。
最大使用電圧と印加電圧の関係を確認する 太陽電池モジュールが500V未満の電圧で運用される場合、試験電圧は交流で「1倍」の値を採用します。ただし、計算上の値が極端に低くならないよう、最低限確保すべき電圧として「500V」が設定されています。
印加時間を決定する 絶縁耐力試験において、電圧を連続して加える時間は絶縁破壊の有無を判定するために重要です。500V未満の電圧環境下で使用されるモジュールに対しては、絶縁状態が安定しているかを確実に測定するため、「10分間」の連続印加が定められています。
規定値との照合 これらの条件を組み合わせると、基準を満たすための値は、交流電圧の倍率が1倍、最低試験電圧が500V、試験時間が10分となります。この基準値は、試験対象となるモジュールが大地に対して十分な絶縁強度を保持し、長期間の使用においても電気的な健全性が保たれるための最低限の境界線です。
規定の試験電圧値である500Vの数値と、それを印加する10分という時間軸を重ねてみると、試験装置の目盛りとモジュールの絶縁耐力が描く安全性の範囲が見えてきます。