第三種電気主任技術者試験 / 令和5年度第三種電気主任技術者上期試験 電力科目 / 各問題解説 / 問110
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令和5年度第三種電気主任技術者上期試験 電力科目 問110 解説 問11 問11

設問図

問11 22(33)kV配電系統に関する記述として、誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

  1. 6.6kVの配電線に比べ電圧対策や供給力増強対策として有効なので、長距離配電の必要となる地域や新規開発地域への供給に利用されることがある。
  2. 電気方式は、地絡電流抑制の観点から中性点を直接接地した三相3線方式が一般的である。 ✓ 正答
  3. 各種需要家への電力供給は、特別高圧需要家へは直接に、高圧需要家へは途中に設けた配電塔で6.6kVに降圧して高圧架空配電線路を用いて、低圧需要家へはさらに柱上変圧器で200~100Vに降圧して、行われる。
  4. 6.6kVの配電線に比べ33kVの場合は、負荷が同じで配電線の線路定数も同じなら、電流は1/5となり電力損失は1/25となる。電流が同じであれば、送電容量は5倍となる。
  5. 架空配電系統では保安上の観点から、特別高圧絶縁電線や架空ケーブルを使用する場合がある。

解説

22(33)kV配電系統は、地絡事故時に流れる故障電流を抑制するために、中性点を直接接地せず、抵抗接地方式を採用するのが一般的であるため、中性点を直接接地したとする選択肢の内容は誤りです。

中性点接地方式の役割と配電系統への適用

電力系統における中性点接地方式は、地絡事故が発生した際の健全相の電圧上昇を抑えたり、地絡電流を制限して周囲への誘導障害や機器への損傷を軽減したりするために設けられます。

直接接地方式は、変圧器の中性点を直接大地に接続する方式です。この方式は、一線地絡事故時に故障相の電圧がほぼ零となり、健全相の電圧上昇を抑制できるという利点がある一方で、地絡電流が非常に大きくなるという特性があります。そのため、送電系統などでは用いられますが、配電系統に適用すると地絡事故時の電流が過大となり、通信線への誘導障害や設備への悪影響が大きいため、配電系統では通常採用されません。

一方、抵抗接地方式は、中性点と大地の間に抵抗器を介在させる方式です。この方式は、地絡電流を適切な値に制限できるため、保護リレーの動作を確実にしつつ、設備へのストレスを緩和できるバランスの良い方式として、22(33)kVなどの高圧配電系統で広く利用されています。

配電系統の運用と電力損失の特性

配電系統において、電圧を高めることは送電効率の向上に直結します。電力 PP を送電する場合、送電線の電圧を VV とすると、線路を流れる電流 II は I=P/(3Vcos⁡θ)I = P / (\sqrt{3} V \cos \theta) で表されます。したがって、電圧を高くするほど、同一電力を送るために必要な電流は小さくなります。

このとき、配電線の線路抵抗を rr とすれば、電力損失 PLP_L は 3I2r3I^2r となります。電圧が5倍になれば電流は 1/51/5 となり、電力損失は電流の2乗に比例するため (1/5)2=1/25(1/5)^2 = 1/25 となります。この物理的な特性を理解すると、なぜ高電圧配電が長距離供給や供給力の増強に有効であるかが明確になります。

また、配電系統の運用面では、特別高圧の供給から、配電塔を用いた6.6kVへの降圧、そして柱上変圧器による低圧供給といった段階的な構成をとることで、幅広い需要家へ電力を届ける仕組みが確立されています。さらに、都市部や保安上の配慮が必要な場所では、絶縁電線やケーブルを採用することで安全性の確保を図っています。

22(33)kVという高電圧と、地絡電流を制御するための接地抵抗の値を重ねてみると、系統を守るための仕組みが見えてきます。

参考リンク

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