令和5年度第三種電気主任技術者上期試験 電力科目 問161 解説 問16(a) 問16
問16(a) 図のように, 定格電圧66kVの電源から三相変圧器を介して二次側に遮断器が接続された系統がある。この三相変圧器は定格容量10MV・A, 変圧比66/6.6kV, 百分率インピーダンスが自己容量基準で7.5%である。変圧器一次側から電源側をみた百分率インピーダンスを基準容量100MV・Aで5%とするとき, 次の(a)及び(b)の間に答えよ。基準容量を10MV・Aとして, 変圧器二次側から電源側をみた百分率インピーダンスの値[%]として, 最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 2.5
- 5.0
- 7.0
- 8.0 ✓ 正答
- 12.5
解説
変圧器二次側からみた百分率インピーダンスは、電源側の換算インピーダンスである0.5%と、変圧器固有のインピーダンスである7.5%の和として求められ、その結果は8.0%となります。
百分率インピーダンスの換算と合成
電力系統の計算において、百分率インピーダンス(%Z)は、機器の容量や電圧が異なる場合でも、基準となる共通の容量(基準容量)に換算することで、直列や並列の接続としてインピーダンスの合成が可能になります。
ある設備が持つ百分率インピーダンスを %Z_old、その設備の定格容量を S_old [MV・A] とするとき、基準容量 S_base [MV・A] に換算した新しい百分率インピーダンス %Z_new は、以下の関係式で求められます。
%Z_new = %Z_old × (S_base / S_old)
この計算により、系統内の各要素を同一の基準容量で統一することで、電力系統全体を単一のインピーダンス回路図として扱うことができます。直列に接続された機器のインピーダンスは、それぞれの基準容量換算値の和をとることで、全体のインピーダンスを算出できます。
系統インピーダンスの計算手順
電源側の百分率インピーダンスを変換する 問題文にある電源側の百分率インピーダンス5%は、基準容量100 MV・Aで示されています。今回、基準容量を10 MV・Aに設定するため、換算式を用いて計算します。 5% × (10 MV・A / 100 MV・A) = 0.5% これが、二次側からみた電源側の百分率インピーダンスとなります。
変圧器の百分率インピーダンスを確認する 変圧器の百分率インピーダンス7.5%は、その自己容量である10 MV・Aを基準とした値です。今回設定する基準容量も10 MV・Aであるため、換算の必要はなく、そのままの数値を用います。
二次側からみた全百分率インピーダンスを算出する 電源側と変圧器は直列に接続されているとみなせるため、それぞれの百分率インピーダンスを合計します。 0.5% + 7.5% = 8.0%
基準容量を10 MV・Aとした際の系統全体の値として、この数値が導かれます。
電源側のインピーダンスが基準容量の違いによってどう変化し、それが変圧器のインピーダンスとどう積み重なっていくのか、図中のそれぞれの%値に注目して数値を当てはめてみると、全体のインピーダンスの姿が見えてきます。