第三種電気主任技術者試験 / 令和5年度第三種電気主任技術者上期試験 電力科目 / 各問題解説 / 問60
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令和5年度第三種電気主任技術者上期試験 電力科目 問60 解説 問6 問6

設問図

問6 配電線路の開閉器類に関する記述として,誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

  1. (1) 配電線路用の開閉器は,主に配電線路の事故時又は作業時に,その部分だけを切り離すために使用される。
  2. (2) 柱上開閉器には気中形,真空形,ガス形がある。操作方法は,手動操作による手動式と制御器による自動式がある。
  3. (3) 高圧配電方式には,放射状方式(樹枝状方式),ループ方式(環状方式)などがある。ループ方式は結合開閉器を設置して線路を構成するので,放射状方式よりも建設費は高くなるものの,高い信頼度が得られるため負荷密度の高い地域に用いられる。
  4. (4) 高圧カットアウトは,柱上変圧器の一次側の開閉器として使用される。その内蔵の高圧ヒューズは変圧器の過負荷時や内部短絡故障時,雷サージなどの短時間大電流の通過時に直ちに溶断する。 ✓ 正答
  5. (5) 地中配電系統で使用するパッドマウント変圧器には,変圧器と共に開閉器などの機器が収納されている。

解説

高圧カットアウト内のヒューズは、雷サージのような一時的かつ短時間の過渡電流では溶断してはならず、この誤った記述が含まれる選択肢(4)が不適切です。

高圧カットアウトとヒューズの保護特性

高圧カットアウトは、柱上変圧器の一次側に設置され、変圧器の事故時などに回路を切り離すための保護装置です。この内部に収められるヒューズは、単に大きな電流が流れたらすぐに切れるわけではなく、特定の動作特性を持っています。

ヒューズの保護特性において最も重要なのは、異常な電流の種類を見分ける力です。変圧器内部の短絡事故や長期にわたる過負荷のような「継続的で深刻な故障」に対しては、すみやかに溶断して回路を遮断し、波及事故を防ぐ必要があります。一方で、落雷によって発生する雷サージなどの「過渡的な大電流」は、一瞬で通り過ぎる性質を持っています。もし、このような一瞬の電流でヒューズが溶断してしまうと、落雷のたびに停電が発生することになり、配電線路の信頼性が著しく低下します。そのため、高圧カットアウトのヒューズには、雷サージなどの短時間大電流をやり過ごすための耐サージ特性が求められます。

配電線路の機器構成と役割

選択肢(4)以外の各項目の内容は、配電設備における標準的な設計思想と合致しています。

  1. 配電線路の開閉器は、事故が起きた際に健全な区間への影響を最小限にするための切り分けや、設備工事の際の停電区間制御に用いられます。
  2. 柱上開閉器は、絶縁媒体による分類や、自動的な制御器と連携した遮断機能など、信頼性向上のための工夫が凝らされています。
  3. ループ方式は、複数の供給経路を持つことで一方の線路が事故で停止しても他方から給電できるため、建設費はかかりますが、高い信頼性を求める場所には不可欠です。
  4. 地中配電系統におけるパッドマウント変圧器は、街の景観や安全性に配慮し、変圧器本体とともに開閉器や保護装置を金属箱の中に収容する構造をとっています。

これらの機器は、それぞれの設置場所と役割に応じて、事故時の遮断や日常的な開閉動作が最適化されています。高圧カットアウトのヒューズに求められる「過負荷故障」と「雷サージ」の区別という視点を改めて高圧カットアウトの構造図に重ねてみると、ヒューズが持つ電流時間特性曲線が持つ役割が見えてきます。

参考リンク

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