第三種電気主任技術者試験 / 令和5年度第三種電気主任技術者上期試験 理論科目 / 各問題解説 / 問161
certification-simodake-work

令和5年度第三種電気主任技術者上期試験 理論科目 問161 解説 問16(a) 問16

設問図

問16(a) 内部抵抗が15kΩの150V測定端子と内部抵抗が10kΩの100V測定端子をもつ永久磁石可動コイル形直流電圧計がある。この直流電圧計を使用して、図のように、電流I[A]の定電流源で電流を流して抵抗Rの両端の電圧を測定した。測定I:150Vの測定端子で測定したところ、直流電圧計の指示値は101.0Vであった。測定II:100Vの測定端子で測定したところ、直流電圧計の指示値は99.00Vであった。抵抗Rの抵抗値[Ω]として、最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

  1. 241
  2. 303
  3. 362
  4. 486
  5. 632 ✓ 正答

解説

電圧計の内部抵抗が分流器として働くことで、測定回路全体の抵抗値が変化し、定電流源から供給される真の電圧値との間に差が生じるため、2つの測定値から連立方程式を立てることで、抵抗値Rとして選択肢(5)の632Ωが導かれます。

電圧測定と内部抵抗の影響

理想的な電圧計は内部抵抗が無限大ですが、実際の電圧計は有限の内部抵抗 RvR_v を持っています。図のように抵抗 RR に電圧計を並列に接続して電圧を測定する場合、回路は抵抗 RR と電圧計の内部抵抗 RvR_v が並列に接続された形になります。この並列回路の合成抵抗 RpR_p は次のように表されます。

Rp=R⋅RvR+RvR_p = \frac{R \cdot R_v}{R + R_v}

定電流源 II から供給される電流は、この合成抵抗 RpR_p を流れます。したがって、電圧計の指示値 V′V' はオームの法則により V′=I⋅RpV' = I \cdot R_p となります。ここで、本来測定したかった電圧は V=I⋅RV = I \cdot R です。この関係を用いると、電圧計の指示値と真の電圧の関係は次のように書き換えられます。

V′=I⋅R⋅RvR+Rv=V⋅RvR+RvV' = I \cdot \frac{R \cdot R_v}{R + R_v} = V \cdot \frac{R_v}{R + R_v}

この式を変形すると、真の電圧 VV は V=V′⋅R+RvRv=V′⋅(1+RRv)V = V' \cdot \frac{R + R_v}{R_v} = V' \cdot (1 + \frac{R}{R_v}) となります。この式は、電圧計の内部抵抗が小さければ小さいほど、指示値 V′V' は真の電圧 VV よりも低く表示されることを示しています。

測定結果を用いた抵抗値の決定

定電流源 II から流れる電流は一定であるため、測定Iと測定IIにおいて、抵抗 RR の両端の真の電圧 VV は等しくなります。以下の手順で計算を進めます。

  1. 測定Iの条件(内部抵抗 Rv1=15000ΩR_{v1} = 15000 \Omega、指示値 V1′=101.0VV'_1 = 101.0 V)を式に当てはめ、真の電圧 VV を表します。 V=101.0⋅(1+R15000)V = 101.0 \cdot (1 + \frac{R}{15000})

  2. 測定IIの条件(内部抵抗 Rv2=10000ΩR_{v2} = 10000 \Omega、指示値 V2′=99.00VV'_2 = 99.00 V)を式に当てはめ、同様に真の電圧 VV を表します。 V=99.00⋅(1+R10000)V = 99.00 \cdot (1 + \frac{R}{10000})

  3. 測定Iと測定IIの VV は等しいため、以下の等式が成り立ちます。 101.0⋅(1+R15000)=99.00⋅(1+R10000)101.0 \cdot (1 + \frac{R}{15000}) = 99.00 \cdot (1 + \frac{R}{10000})

  4. この方程式を展開して RR について解きます。 101.0+101.015000R=99.00+99.0010000R101.0 + \frac{101.0}{15000} R = 99.00 + \frac{99.00}{10000} R 101.0−99.00=R⋅(99.0010000−101.015000)101.0 - 99.00 = R \cdot (\frac{99.00}{10000} - \frac{101.0}{15000}) 2.0=R⋅(0.0099−0.006733...)2.0 = R \cdot (0.0099 - 0.006733...) 2.0=R⋅0.003166...2.0 = R \cdot 0.003166... R=2.00.003166...≈631.7ΩR = \frac{2.0}{0.003166...} \approx 631.7 \Omega

この結果より、抵抗 RR は約632Ωであることが分かります。

定電流源から供給される一定の電流に対し、内部抵抗の異なる電圧計を接続した際の指示値の変化を重ねてみると、回路全体に与える影響の度合いから抵抗Rの姿が見えてきます。

参考リンク

学習の記録にははてなブックマーク!

気づいたこと・覚えたことをコメントにメモしよう