電圧計の内部抵抗が分流器として働くことで、測定回路全体の抵抗値が変化し、定電流源から供給される真の電圧値との間に差が生じるため、2つの測定値から連立方程式を立てることで、抵抗値Rとして選択肢(5)の632Ωが導かれます。
電圧測定と内部抵抗の影響
理想的な電圧計は内部抵抗が無限大ですが、実際の電圧計は有限の内部抵抗 Rv を持っています。図のように抵抗 R に電圧計を並列に接続して電圧を測定する場合、回路は抵抗 R と電圧計の内部抵抗 Rv が並列に接続された形になります。この並列回路の合成抵抗 Rp は次のように表されます。
Rp=R+RvR⋅Rv
定電流源 I から供給される電流は、この合成抵抗 Rp を流れます。したがって、電圧計の指示値 V′ はオームの法則により V′=I⋅Rp となります。ここで、本来測定したかった電圧は V=I⋅R です。この関係を用いると、電圧計の指示値と真の電圧の関係は次のように書き換えられます。
V′=I⋅R+RvR⋅Rv=V⋅R+RvRv
この式を変形すると、真の電圧 V は V=V′⋅RvR+Rv=V′⋅(1+RvR) となります。この式は、電圧計の内部抵抗が小さければ小さいほど、指示値 V′ は真の電圧 V よりも低く表示されることを示しています。
測定結果を用いた抵抗値の決定
定電流源 I から流れる電流は一定であるため、測定Iと測定IIにおいて、抵抗 R の両端の真の電圧 V は等しくなります。以下の手順で計算を進めます。
測定Iの条件(内部抵抗 Rv1=15000Ω、指示値 V1′=101.0V)を式に当てはめ、真の電圧 V を表します。
V=101.0⋅(1+15000R)
測定IIの条件(内部抵抗 Rv2=10000Ω、指示値 V2′=99.00V)を式に当てはめ、同様に真の電圧 V を表します。
V=99.00⋅(1+10000R)
測定Iと測定IIの V は等しいため、以下の等式が成り立ちます。
101.0⋅(1+15000R)=99.00⋅(1+10000R)
この方程式を展開して R について解きます。
101.0+15000101.0R=99.00+1000099.00R
101.0−99.00=R⋅(1000099.00−15000101.0)
2.0=R⋅(0.0099−0.006733...)
2.0=R⋅0.003166...
R=0.003166...2.0≈631.7Ω
この結果より、抵抗 R は約632Ωであることが分かります。
定電流源から供給される一定の電流に対し、内部抵抗の異なる電圧計を接続した際の指示値の変化を重ねてみると、回路全体に与える影響の度合いから抵抗Rの姿が見えてきます。
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