令和6年度第三種電気主任技術者下期試験 法規科目 問40 解説 問4 問4
問4 公称電圧6600Vの三相3線式中性点非接地方式の架空配電線路(電線はケーブル以外を使用)があり,そのこう長は20kmである。この配電線路に接続される柱上変圧器の低圧電路側に施設されるB種接地工事の接地抵抗値[Ω]の上限として,「電気設備技術基準の解釈」に基づき,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。ただし,高圧電路と低圧電路の混触により低圧電路の対地電圧が150Vを超えた場合に,1秒以内に自動的に高圧電路を遮断する装置を施設しているものとする。なお,高圧配電線路の1線地絡電流I1[A]は,次式によって求めるものとする。I1=1+(V/3)L-100/150 [A] Vは,配電線路の公称電圧を1.1で除した電圧[kV] Lは,同一母線に接続される架空配電線路の電線延長[km]
- 75
- 150
- 225
- 300 ✓ 正答
- 600
解説
公称電圧6600V、こう長20kmの架空配電線路において、混触時に1秒以内で遮断する装置を施設している場合のB種接地抵抗値の上限は、規定の上限値である300Ωとなります。
B種接地工事の設計基準
B種接地工事は、高圧または特別高圧の電路と低圧電路を結合する変圧器の低圧側に施されます。これは、高圧と低圧の混触事故が発生した際に、低圧側の対地電圧を人体にとって危険のないレベルまで抑制するための保安措置です。
電気設備技術基準の解釈では、混触時に低圧電路の対地電圧が150Vを超えて上昇する場合、その上昇電圧(V_L)が150V以下になるように接地抵抗値(R_B)を定めなければなりません。この際、高圧側の地絡電流を とすると、オームの法則に基づき という関係式が導かれます。また、混触が発生した際に自動遮断装置が働く場合、その遮断時間に応じて緩和措置が取られますが、どのような条件であっても、接地抵抗値の上限は300Ωと定められています。
接地抵抗値の算出過程
与えられた条件を順に適用して計算を進めます。
変圧器の高圧側線間電圧を [kV] とし、配電線路のこう長 [km] を用いて、地絡電流 を求めます。 [A]
混触時に1秒以内で遮断する場合の接地抵抗値の算出式 に、求めた [A] を代入します。 [Ω]
算出された250Ωは、電気設備技術基準で定められたB種接地抵抗値の最大上限である300Ωの範囲内にあるかを確認します。計算値が300Ω以下であるため、この規定に基づき、最終的な上限値として300Ωが適用されます。
地絡電流を求めるための式に、配電線路の電圧や延長距離の数値を重ねてみると、接地抵抗値がどのように導き出されるかが見えてきます。