令和6年度第三種電気主任技術者下期試験 機械科目 問151 解説 問15(a) 問15
問15(a) 定格電圧6600V, 定格出力8MV・Aの三相同期発電機がある。この三相同期発電機において, 界磁電流が200Aにおける無負荷端子電圧は6600Vであり, この界磁電流での三相短絡電流は800Aであった。この三相同期発電機について, 次の(a)及び(b)の問に答えよ。なお, この三相同期発電機の突極性は無視し, 電機子巻線抵抗及び鉄損と機械損は十分小さく, 計算上は無視できるものとする。この三相同期発電機における一相分の同期インピーダンス[Ω]として, 最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 2.75
- 4.76 ✓ 正答
- 8.25
- 19.1
- 33.0
解説
定格線間電圧6600Vから求まる一相あたりの無負荷相電圧約3810.5Vを三相短絡電流800Aで割ることで、一相分の同期インピーダンスは約4.76Ωとなり、選択肢(2)が対応します。
同期発電機の回路特性とオームの法則
三相同期発電機の内部特性を扱う際、相平衡が保たれている回路では一相分の等価回路に着目して計算を行います。
界磁電流を流した状態で無負荷運転したときに端子間に発生する電圧は、三相交流の線間電圧として測定されます。発電機内部の一相分で発生している無負荷誘起起電力(相電圧)を 、端子間の無負荷端子電圧(線間電圧)を とすると、Y結線(星形結線)における電圧の関係性から、相電圧は線間電圧の 倍になります。
発電機内部には電機子巻線の抵抗および電機子反作用や漏れ磁束に由来するリアクタンスが存在し、これらをあわせた内部インピーダンスを一相分の同期インピーダンス と呼びます。問題の条件で電機子巻線抵抗が無視できるとされている場合、同期インピーダンスの大きさはほぼ同期リアクタンスの大きさと一致します。
発電機の端子を短絡させた状態で界磁電流を流すと、内部で生じた誘起起電力 によって短絡電流 が流れます。短絡状態では外部負荷のインピーダンスが零になるため、回路全体のインピーダンスは内部の同期インピーダンス のみとなります。このときの電圧、電流、インピーダンスの関係は回路の基礎となるオームの法則に従うため、一相あたりの相電圧 と短絡電流 から同期インピーダンス を導くことができます。
三相同期発電機における同期インピーダンスの計算
発電機の無負荷端子電圧 は線間電圧であるため、一相あたりの誘起起電力である相電圧 に変換します。
同一の界磁電流 において発電機端子を短絡したときの三相短絡電流 は です。一相分の等価回路にオームの法則を適用し、同期インピーダンス の計算式を組み立てます。
式を整理して数値を計算します。 これにより、一相分の同期インピーダンスとして最も近い値は と定まります。
6600Vという線間電圧の値を一相あたりの相電圧へ変換する視点と、三相短絡電流800Aとの数値関係を重ね合わせてみると、同期発電機の内部インピーダンスの大きさが鮮明に見えてきます。