令和6年度第三種電気主任技術者下期試験 機械科目 問20 解説 問2 問2
問2 界磁磁束を一定に保った直流電動機が, 電機子電圧 24 V, 電機子電流 3.0 A で一定速で駆動されている。このときの直流電動機の回転数は 1500 min⁻¹, 出力トルクは 0.4 N・m であった。この直流電動機の電機子巻線の抵抗値[Ω]として, 最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。ただし, ブラシによる電圧降下, 及び電機子反作用は無視できるものとし, 考慮すべき損失は電機子巻線の銅損のみとする。
- 1.0 ✓ 正答
- 2.3
- 3.1
- 4.5
- 6.9
解説
直流電動機へ供給される電気エネルギーと、回転運動として外部へ取り出される機械的エネルギーの差が電機子巻線の銅損(熱として消費される電力)に相当するため、与えられた電圧、電流、トルク、回転数の値から算出した電力差を電流の二乗で割ることで、抵抗値として1.0 Ωが導かれます。
直流電動機のエネルギー収支と損失
直流電動機は、電機子に入力された電気エネルギーの一部を回転トルクとして外部へ出力し、残りのエネルギーが損失として消費されます。本問のようにブラシ電圧降下や電機子反作用を無視し、銅損のみを考慮する場合、エネルギーの均衡は次のように表されます。
電機子入力電力 () は、供給電圧を [V]、電機子電流を [A] とすると、 となります。 一方、機械的出力電力 () は、出力トルクを [N・m]、角速度を [rad/s] とすると、 で求められます。角速度 は回転数 [min⁻¹] を用いて と変換できるため、 となります。
このとき、入力電力から出力電力を差し引いた差分は、電機子巻線の電気抵抗 [Ω] による銅損 () と等しくなります。これが、エネルギー保存の法則に基づいた直流電動機の電力バランスです。
抵抗値を求める判断ステップ
- 入力電力を算出します。電機子電圧 V、電機子電流 A より、 W となります。
- 出力電力を算出します。トルク N・m、回転数 min⁻¹ を用いると、 W となります。
- 銅損を特定します。入力と出力の差である W が、銅損 に相当します。
- 電機子巻線の抵抗値 を決定します。 より、 Ω となり、選択肢の中で最も近い Ω が妥当と判断されます。
電機子巻線の銅損を、電気エネルギーから機械エネルギーを取り出す際の熱損失として意識し、個別の回転数やトルクの値と照らし合わせてみると、回路図中の小さな抵抗分で起きている現象が見えてきます。