令和6年度第三種電気主任技術者下期試験 機械科目 問40 解説 問4 問4
問4
電源に接続された三相誘導電動機が駆動されている。電源の線間電圧Vnは400V, 電源から供給される線電流Ilは25.8A, 力率は0.8である。この場合の滑りsが4%であり, 鉄損Pi及び一次銅損Pc1の値は, 共に, 二次銅損Pc2の値の1/2である。この場合の二次銅損Pc2の値[W]として最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。ただし, その他の損失は無視できるものとする。
- 318
- 344
- 550 ✓ 正答
- 571
- 596
解説
入力電力の総和を滑りや各損失の比率を用いて二次銅損の式として整理することで、二次銅損 Pc2 の値が約 550 W となります。
三相誘導電動機の電力変換と損失の関係
誘導電動機に入力された電力は、電動機内部で様々な損失を経て、最終的に機械的出力となります。このプロセスを理解する上で重要なのが、二次入力 P2 と二次銅損 Pc2、そして出力 Pout の関係です。
誘導電動機では、二次入力 P2 のうち、滑り s に相当する分が二次銅損 Pc2=sP2 となり、残りの (1−s)P2 が機械的出力 Pout となります。したがって、出力は Pout=s1−sPc2 と表すことができます。
また、電源からの入力電力 P1 は、これらの出力と損失のすべてを合計したものです。損失として鉄損 Pi と一次銅損 Pc1 が存在する場合、その合計は P1=Pout+Pc1+Pi+Pc2 となります。
二次銅損の算出手順
入力電力 P1 を算出する。
三相電力の式 P1=3VnIlcosθ に、与えられた数値 Vn=400 V、Il=25.8 A、cosθ=0.8 を代入します。
P1=3×400×25.8×0.8≈14315.6 W
全損失を二次銅損 Pc2 で表す。
問題文の条件より、Pc1=Pi=0.5Pc2 です。
これを用いると、入力電力の総和は以下のようになります。
P1=(s1−sPc2)+0.5Pc2+0.5Pc2+Pc2
P1=(0.041−0.04)Pc2+2Pc2=24Pc2+2Pc2=26Pc2
二次銅損 Pc2 を決定する。
14315.6=26Pc2 を解くと、Pc2≈550.6 W となります。
与えられた線間電圧と電流から導かれる入力電力を、滑りによる損失の配分と照らし合わせてみると、電動機内部で熱として失われる二次銅損の姿が見えてきます。
参考リンク
学習の記録にははてなブックマーク!
気づいたこと・覚えたことをコメントにメモしよう