令和6年度第三種電気主任技術者下期試験 電力科目 問100 解説 問10 問10
問10 電圧6.6kV, 周波数60Hz, こう長2kmの交流三相3線式地中電線路がある。ケーブルの心線1線当たりの静電容量を0.5μF/kmとするとき, このケーブルの心線3線を充電するために必要な三相無負荷充電容量の値[kV・A]として, 最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 5.5
- 8.2
- 16.4 ✓ 正答
- 28.4
- 49.3
解説
三相無負荷充電容量は、各相の対地静電容量に流れる充電電流と対地電圧の積の合計であり、本問では6.6kVの電圧、60Hzの周波数、2kmのこう長および1線当たり0.5μF/kmの静電容量という条件から計算される16.4kV・Aとなります。
三相無負荷充電容量の原理
交流送電線や地中ケーブルには、心線と大地の間に絶縁物が存在するため、静電容量(キャパシタンス)が形成されます。この静電容量は、交流電圧が印加されることで充放電を繰り返し、電流が流れます。これを充電電流と呼びます。
三相回路における充電容量は、各相の対地静電容量を [F]、対地電圧(相電圧)を [V]、角周波数を [rad/s] とすると、1線あたりの充電容量 [V・A] で表されます。三相分ではこれが3つ並列に存在するため、合計の無負荷充電容量 は以下の式で算出されます。
[V・A]
ここで、角周波数 であり、周波数 [Hz] に比例します。また、電圧 は線間電圧を で割った値となります。
計算手順
以下の数値を用いて、段階的に計算を行います。
対地電圧 を求めます。線間電圧が6.6kVであるため、相電圧(対地電圧) は、 [V] です。
回路全体の全静電容量 を求めます。1kmあたりの静電容量が0.5μF/kmで、こう長が2kmであるため、 [F] となります。
角周波数 を求めます。周波数60Hzを用いると、 [rad/s] です。
最後に、これらの値を に代入します。 [V・A]
この値は、16.4[kV・A]に相当します。
電圧値や静電容量の単位を整理しながら、こう長2km分として蓄えられる電気の振る舞いに注目すると、充電容量の大きさが具体的に見えてきます。