第三種電気主任技術者試験 / 令和6年度第三種電気主任技術者下期試験 電力科目 / 各問題解説 / 問90
certification-simodake-work

令和6年度第三種電気主任技術者下期試験 電力科目 問90 解説 問9 問9

設問図

問9 次の文章は, 我が国の高低圧配電系統における保護について述べた文章である。6.6 kV 高圧配電線路は, 60 kV 以上の送電線路や送電用変圧器に比べ, 電線路や変圧器の絶縁が容易であるため, 故障時に健全相の電圧上昇が大きくなっても特に問題にならない。また, 1線地絡電流を (ア) するため (イ) 方式が採用されている。一般に, 多回線配電線路では地絡保護に地絡方向継電器が用いられる。これは, 故障時に故障線路と健全線路における地絡電流が (ウ) となることを利用し, 故障回線を選択するためである。低圧配電線路で短絡故障が生じた際の保護装置として (エ) が挙げられるが, これは, 通常, 柱上変圧器の (オ) 側に取り付けられる。上記の記述中の空白箇所(ア)~(オ)に当てはまる組合せとして, 正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

  1. (1) 小さく 非接地 同位相 高圧カットアウト 二次
  2. (2) 大きく 接地 逆位相 ケッチヒューズ 一次
  3. (3) 大きく 非接地 逆位相 高圧カットアウト 二次
  4. (4) 小さく 非接地 逆位相 高圧カットアウト 一次 ✓ 正答
  5. (5) 小さく 接地 同位相 ケッチヒューズ 一次

解説

6.6 kV高圧配電線路では、地絡電流を小さく抑えるために非接地方式が採用され、地絡方向継電器は故障線路と健全線路の地絡電流が逆位相となることを利用して故障箇所を判別し、低圧側の短絡保護には変圧器一次側に設置される高圧カットアウトが用いられます。

配電線路の接地方式と地絡保護

我が国の高圧配電系統では、1線地絡故障が発生した際、その地絡電流が過大になると近隣の通信線への誘導障害や感電の危険性が高まります。これを防ぐため、非接地方式(または高抵抗接地方式)が採用されています。非接地方式では、地絡電流は主に配電線路の対地静電容量によって決まるため、電流を非常に小さく抑制することができます。

この配電系統において、どの区間で地絡が発生したかを特定するために地絡方向継電器が用いられます。地絡故障が発生した際、故障点に向かって流れる故障回線の地絡電流(零相電流と零相電圧の位相関係)と、系統の静電容量を通じて戻る健全回線の地絡電流とでは、その向きが逆転します。この位相のずれ(逆位相の関係)を継電器で検出することで、保護すべき故障回線を正確に選別しています。

低圧配電線路の短絡保護

柱上変圧器の二次側で短絡事故が発生した際、変圧器およびその上流の系統を保護する必要があります。この保護装置として、ヒューズを内蔵した開閉器である高圧カットアウト(PC: Power Cutout)が汎用的に用いられています。高圧カットアウトは、配電系統の保守点検や故障時の切り離しを容易にするため、柱上変圧器の一次側(高圧側)に設置されます。

判断の手順

  1. 1線地絡電流の抑制:地絡時の電流を小さく抑える目的で非接地方式が採用されていることを確認します。
  2. 地絡方向継電器の動作:故障線路と健全線路の地絡電流が逆位相となる特性を利用して選択遮断を行う仕組みを当てはめます。
  3. 短絡保護装置の設置:低圧側の短絡を一次側で保護する機器として、高圧カットアウトが一次側に設置されている構造を特定します。

高圧配電線路の図や変圧器の一次・二次側の配置図を重ねてみると、電流が流れる経路と保護装置が機能する位置関係が見えてきます。

参考リンク

学習の記録にははてなブックマーク!

気づいたこと・覚えたことをコメントにメモしよう