第三種電気主任技術者試験 / 令和6年度第三種電気主任技術者下期試験 電力科目 / 各問題解説 / 問120
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令和6年度第三種電気主任技術者下期試験 電力科目 問120 解説 問12 問12

設問図

問12 三相3線式交流送電線があり, 電線1線当たりの抵抗がR[Ω], 受電端の線間電圧がVr[V]である。今, 受電端から力率cosθの負荷に三相電力P[W]を供給しているものとする。この送電線での3線の電力損失をPLとすると, 電力損失率PL/Pを表す式として, 正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。ただし, 線路のインダクタンス, 静電容量及びコンダクタンスは無視できるものとする。

  1. RP / (3(Vr cosθ)^2)
  2. RP / (Vr cosθ)^2 ✓ 正答
  3. RP^2 / (Vr cosθ)^2
  4. 3RP / (Vr cosθ)^2
  5. 3RP^2 / (Vr cosθ)^2

解説

電力損失率 PL/PP_L/P は、三相電力の式から導かれる線電流の二乗と線路抵抗の積を、供給電力で除することで RP/(Vrcos⁡θ)2RP / (V_r \cos\theta)^2 と表されます。

三相交流の電力と線路の損失

三相3線式回路において、線間電圧を VrV_r、線電流を II、力率を cos⁡θ\cos\theta とすると、受電端で消費される三相電力 PP は以下の式で与えられます。 P=3VrIcos⁡θP = \sqrt{3} V_r I \cos\theta

また、電線1線あたりの抵抗を RR とすると、3線全体の電力損失 PLP_L は、各線に流れる電流によるジュール熱の和として以下の式で計算されます。 PL=3I2RP_L = 3 I^2 R

これらの式は、抵抗負荷を想定し、リアクタンス成分等の影響を無視できる場合(線路のインダクタンスや静電容量を無視する条件)に適用可能です。

電力損失率の導出手順

電力損失率 PL/PP_L/P を求めるために、以下の手順で式を展開します。

  1. 受電端の三相電力 PP の式から、線電流 II を求めます。 I=P3Vrcos⁡θI = \frac{P}{\sqrt{3} V_r \cos\theta}

  2. 求めた電流 II を電力損失 PLP_L の式に代入します。 PL=3×(P3Vrcos⁡θ)2×R=3×P23Vr2cos⁡2θ×R=P2RVr2cos⁡2θP_L = 3 \times \left( \frac{P}{\sqrt{3} V_r \cos\theta} \right)^2 \times R = 3 \times \frac{P^2}{3 V_r^2 \cos^2\theta} \times R = \frac{P^2 R}{V_r^2 \cos^2\theta}

  3. 最後に、電力損失率 PL/PP_L/P を算出します。 PLP=P2RVr2cos⁡2θP=PRVr2cos⁡2θ=RP(Vrcos⁡θ)2\frac{P_L}{P} = \frac{\frac{P^2 R}{V_r^2 \cos^2\theta}}{P} = \frac{P R}{V_r^2 \cos^2\theta} = \frac{RP}{(V_r \cos\theta)^2}

このように、供給電力 PP と力率角 θ\theta、そして送電電圧の関係を一つにまとめることで、効率の評価に必要な損失の割合が整理されます。

受電端電圧 VrV_r と力率 cos⁡θ\cos\theta を掛け合わせた値の二乗が、送電効率にどのように影響を与えているのか、その分母の構造に目を向けてみると、電圧や力率の重要性がより鮮明に浮かび上がってきます。

参考リンク

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