令和6年度第三種電気主任技術者下期試験 電力科目 問152 解説 問15(b) 問15
問15(b) 重油専焼火力発電所が出力1000MWで運転しており,発電端効率が41%,重油発熱量が44000kJ/kgであるとき,1日に発生する二酸化炭素の重量の値[t]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。ただし,重油の化学成分(重量比)は炭素85%,水素15%,炭素の原子量は12,酸素の原子量は16とする。
- 9.5×10^3
- 12.8×10^3
- 15.0×10^3 ✓ 正答
- 17.6×10^3
- 28.0×10^3
解説
1日に発生する二酸化炭素の重量は、1時間あたりの重油消費量から算出した1日あたりの炭素消費量に対し、炭素と二酸化炭素の原子量比を乗じることで、約15.0×10^3 tと求められます。
発電端効率と燃料消費の関係
火力発電所における発電端効率とは、投入した燃料の持つエネルギーのうち、どれだけが電気エネルギーとして取り出せたかを示す指標です。出力1000 MW(10^6 kW)の発電所において、1時間あたりの投入熱量 [kJ/h] は、発電端効率 と出力 [kW] を用いて以下の関係で表されます。
ここで3600を乗じているのは、単位を [kW](kJ/s)から [kJ/h] へ変換するためです。投入熱量は重油消費量 [kg/h] と重油発熱量 [kJ/kg] の積()に等しいため、これを利用して単位時間あたりの燃料消費量を逆算できます。
燃焼による二酸化炭素の生成
化学反応において、燃料中の成分が空気中の酸素と結びつく際、質量保存の法則が成り立ちます。炭素(原子量12)が酸素(原子量16)と完全燃焼して二酸化炭素(分子量12 + 16×2 = 44)になる際、炭素1質量単位から生成される二酸化炭素の質量単位は、比率にして 倍となります。燃料中の炭素含有率を とすると、燃料重量 に含まれる炭素から発生する二酸化炭素の重量 は次の式で定義されます。
二酸化炭素発生量の算出ステップ
- 1時間あたりの燃料消費量 [t/h] を算出します。出力 kW、効率 、発熱量 kJ/kg を用いると、 t/h となります。
- 1日(24時間)あたりの総消費量を求めます。 t です。
- 燃料に含まれる炭素重量を特定します。炭素含有率が85%であるため、 t となります。
- 燃焼による二酸化炭素重量に換算します。炭素の原子量12に対して二酸化炭素の分子量が44であるため、 t となり、選択肢から t を導き出します。
発電所の出力と効率から求めた燃料の総量に、炭素の含有率と化学変化の倍率を重ねてみると、煙突から排出される二酸化炭素の質量が見えてきます。