第三種電気主任技術者試験 / 令和6年度第三種電気主任技術者下期試験 電力科目 / 各問題解説 / 問171
certification-simodake-work

令和6年度第三種電気主任技術者下期試験 電力科目 問171 解説 問17(a) 問17

設問図

問17(a) 送電線のフェランチ現象に関する問である。三相3線式1回線送電線の一相が図のπ形等価回路で表され、送電線路のインピーダンスjX=j200Ω, アドミタンスjB=j0.800mSとし, 送電線の線間電圧が66.0kVであり, 受電端が無負荷のとき, 受電端の線間電圧の値[kV]として, 最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

  1. 66.0
  2. 71.7 ✓ 正答
  3. 78.6
  4. 114
  5. 132

解説

受電端が無負荷のとき、送電端電圧VsV_sと受電端電圧VrV_rの関係式 Vr=Vs/(1−XB/2)V_r = V_s / (1 - XB/2) に与えられた数値を代入すると、受電端電圧は約71.7kVとなり、フェランチ現象によって電圧が上昇することがわかります。

フェランチ現象とπ形等価回路

送電線路には、導体間に静電容量が存在します。長距離の送電線ではこの対地静電容量が大きく、無負荷や軽負荷時に受電端電圧が送電端電圧よりも高くなる現象をフェランチ現象と呼びます。この現象を計算で扱う際、送電線路は図に示されたjXjX(直列リアクタンス)とjBjB(対地アドミタンス)で構成されるπ形等価回路でモデル化されます。

送電端から見たとき、受電端が無負荷であれば、受電端側のjB/2jB/2成分に電流が流れ込みます。この電流が直列インピーダンスjXjXを通ることで、送電端電圧に対して受電端の電圧が変化します。この回路関係から、四端子定数を用いて送電端電圧と受電端電圧の関係式を導くと、Vs=(1−XB/2)VrV_s = (1 - XB/2)V_rという関係が成り立ち、ここから受電端電圧を求めることができます。

受電端電圧の計算ステップ

  1. 送電線の諸元から無次元量であるXB/2XB/2を求めます。インピーダンス X=200[Ω]X = 200 [\Omega]、アドミタンス B=0.800×10−3[S]B = 0.800 \times 10^{-3} [\text{S}] ですので、X×B/2=200×0.800×10−3/2=0.08X \times B / 2 = 200 \times 0.800 \times 10^{-3} / 2 = 0.08 となります。
  2. 関係式 Vr=Vs/(1−0.08)V_r = V_s / (1 - 0.08) に送電端電圧 Vs=66.0[kV]V_s = 66.0 [\text{kV}] を代入します。
  3. Vr=66.0/0.92V_r = 66.0 / 0.92 を計算すると、約 71.739...[kV]71.739... [\text{kV}] が得られます。この値は選択肢にある71.7に合致します。

π形等価回路のjXjXとjB/2jB/2の値を、送電端と受電端の間に重ねてみると、充電電流が直列インピーダンスを通過して電圧を押し上げる様子が見えてきます。

参考リンク

学習の記録にははてなブックマーク!

気づいたこと・覚えたことをコメントにメモしよう