第三種電気主任技術者試験 / 令和6年度第三種電気主任技術者上期試験 機械科目 / 各問題解説 / 問162
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令和6年度第三種電気主任技術者上期試験 機械科目 問162 解説 問16(b) 令和6年度第三種電気主任技術者上期試験 機械科目 大問16(b)

設問図

問16(b) 図1は,IGBTを用いた単相ブリッジ接続の電圧形インバータを示す。直流電圧 $E_{\mathrm{d}}$ [V]は,一定値と見なせる。出力端子には,インダクタンス $L$ [H]で抵抗値 $R$ [$\Omega$]の誘導性負荷が接続されている。この電圧形インバータの出力電圧 $v_0$,出力電流 $i_0$ が図2のようになった。インバータの動作モードを図2に示す①〜④として本モードは周期 $T$ [s]で繰り返されるものとする。なお,上下スイッチの短絡を防ぐデッドタイムは考慮しない。 (b) 電源電圧 $E_{\mathrm{d}}$ が $100\text{ V}$,インダクタンス $L$ を $2\text{ mH}$ とし,抵抗 $R$ を $1\ \Omega$ とすると,区間①②の電流は $-I_{\mathrm{p}}$ [A]から $I_{\mathrm{p}}$ [A]まで時定数 $\tau$ [s]で増加する。$\tau$ に最も近い値を次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

  1. 0.001
  2. 0.002 ✓ 正答
  3. 0.0032
  4. 0.0063
  5. 0.02

解説

インダクタンス LL と抵抗 RR の直列回路における時定数 τ\tau は回路の応答の速さを決める値であり、与えられた L=2×10−3 HL = 2 \times 10^{-3} \, \mathrm{H} と R=1 ΩR = 1 \, \Omega を用いると τ=L/R=0.002 s\tau = L/R = 0.002 \, \mathrm{s} となるため、正答は 0.002 です。

RL直列回路の過渡現象と時定数

電圧形インバータの出力端子には、インダクタンス LL と抵抗 RR が直列に接続された負荷が繋がれています。このようなRL直列回路に直流電圧が印加されたとき、流れる電流の立ち上がりや立ち下がりの速さは、回路の時定数 τ\tau によって決定されます。

時定数は、回路に電圧を印加した際に電流が最終的な定常値に達するまでの時間的な目安を示す指標です。RL直列回路において、この値は以下の式で定義されます。

τ=LR [s]\tau = \frac{L}{R} \, \mathrm{[s]}

この式が示す通り、時定数はインダクタンス LL が大きいほど長く、抵抗 RR が大きいほど短くなります。インダクタンスは電流の変化を妨げようとする性質を持つため、値が大きければ電流が目標値に到達するまでにより多くの時間を要することになります。一方、抵抗は電流の大きさを制限すると同時にエネルギーを消費する役割を担い、回路の過渡応答を減衰させる働きを持ちます。

時定数の算出手順

与えられた回路定数を式に当てはめ、具体的な値を特定します。

  1. 問題文から回路のパラメータを確認します。インダクタンス L=2 mHL = 2 \, \mathrm{mH} は 2×10−3 H2 \times 10^{-3} \, \mathrm{H}、抵抗 R=1 ΩR = 1 \, \Omega です。
  2. RL直列回路の時定数の定義式 τ=L/R\tau = L/R に各数値を代入します。
  3. 単位を揃えて計算を行うと、τ=(2×10−3 H)/1 Ω=0.002 s\tau = (2 \times 10^{-3} \, \mathrm{H}) / 1 \, \Omega = 0.002 \, \mathrm{s} となります。
  4. この値は電流の変化速度を支配する特性値として、区間①および②における電流波形の傾きや到達時間と直接対応しています。

図2に示された電流 i0i_0 の滑らかなカーブと、インダクタンス LL によるエネルギー蓄積・放出の様子を重ねてみると、電流が変化する勢いの正体が見えてきます。

参考リンク

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