令和6年度第三種電気主任技術者上期試験 機械科目 問20 解説 問2 令和6年度第三種電気主任技術者上期試験 機械科目 大問2
問2 電機子回路の抵抗が $0.20\ \Omega$ の直流他励電動機がある。励磁電流,電機子電流とも一定になるように制御されており,電機子電流は $50\ \text{A}$ である。回転速度が $1200\ \text{min}^{-1}$ のとき,電機子回路への入力電圧は $110\ \text{V}$ であった。励磁電流,電機子電流を一定に保ったまま電動機の負荷を変化させたところ,入力電圧が $80\ \text{V}$ となった。このときの回転速度 $[\text{min}^{-1}]$ の値として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。\nただし,電機子作用はなく,ブラシの抵抗は無視できるものとする。
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解説
直流他励電動機の電機子回路において、入力電圧から電機子抵抗による電圧降下を差し引いた誘導起電力が回転速度に比例するという性質に基づき、二つの状態における電圧と回転速度の関係を比較することで、求める回転速度は840min^-1となります。
直流他励電動機の電圧と誘導起電力の関係
直流他励電動機の電機子回路では、入力電圧 [V]、電機子電流 [A]、電機子抵抗 [Ω]、および誘導起電力 [V] の間に、以下の関係式が成り立ちます。
この式は、外部から印加された電圧 が、内部で発生する誘導起電力 を打ち消す分と、電機子回路の抵抗によって熱として消費される電圧降下 に分配されることを示しています。したがって、誘導起電力 は、印加した電圧から抵抗分を差し引いた残りの値として求められます。
誘導起電力と回転速度の比例関係
誘導起電力 は、磁束 [Wb]、回転速度 [min^-1]、および電動機固有の定数 を用いて、次の式で表されます。
他励電動機では、励磁電流を独立して制御できるため、励磁電流が一定であれば磁束 も一定となります。また、本設問の条件のように電機子電流 を一定に保つ制御を行っている場合、 および は変化しません。このとき、 と は比例関係にあるため、回転速度が変化しても誘導起電力の比と回転速度の比は等しくなります。
回転速度の導出手順
最初の状態において、入力電圧 [V]、電機子電流 [A]、電機子抵抗 [Ω] を用いて、誘導起電力 を算出します。 [V]
負荷を変化させた後の状態において、入力電圧 [V]、電機子電流 [A](一定)、電機子抵抗 [Ω] を用いて、誘導起電力 を算出します。 [V]
誘導起電力と回転速度の比例関係を用いて、変化後の回転速度 を求めます。最初の回転速度は [min^-1] です。 [min^-1]
誘導起電力が電圧の変化に応じてどのように変動するか、その値と回転速度の推移を重ねてみると、電動機の挙動が見えてきます。