第三種電気主任技術者試験 / 令和6年度第三種電気主任技術者上期試験 電力科目 / 各問題解説 / 問10
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令和6年度第三種電気主任技術者上期試験 電力科目 問10 解説 問1 問1

設問図

問1 水力発電所に関する記述として,誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

  1. (1) 衝動水車にはペルトン水車などがある。
  2. (2) ペルトン水車の水圧管の先端ノズル内にはニードル弁があり,通常運転時は出力変化に応じて流量調整を行う。
  3. (3) 故障発生時などでペルトン水車を急停止させるときは,ニードル弁でノズルから出る噴流を急速に止めると同時にデフレクタを停止位置にして噴流を完全に遮断する。 ✓ 正答
  4. (4) 小水力発電は,主に流れ込み式,水路式が多く,比較的小規模な発電設備で発電を行う。一般河川の水のエネルギーの利用だけでなく,農業用水,上下水道など低落差あるいは少流量の水のエネルギーも活用している。
  5. (5) クロスフロー水車は小水力発電で多く用いられ,円筒状のランナの軸に直角方向から流水が流入しランナ内を貫通して流出する水車である。ガイドベーンを有し低流量時でも効率低下が小さい。

解説

ペルトン水車の急停止時にニードル弁を急速に閉めると、水圧管内に激しい圧力上昇(水撃作用)が発生して管路の破損を招くため、デフレクタを用いて噴流をそらす手順が正しい記述となります。

ペルトン水車の流量制御と安全性

ペルトン水車は、ノズルから噴出する水の運動エネルギーをランナのバケットに当てて回転させる衝動水車です。この水の流量を調整するのがノズル先端にあるニードル弁であり、通常時は出力の変化に合わせてこれを前後させることで、噴流の量を制御します。

しかし、負荷遮断や故障発生時のような急停止が求められる状況では、ニードル弁を急激に閉じることはできません。水圧管路のような長い配管内の流体を急に止めると、運動エネルギーが圧力エネルギーへと瞬時に変換され、配管内に極めて大きな衝撃圧力が発生します。これを水撃作用(ウォーターハンマー)と呼び、圧力管の破壊や接合部の損傷を引き起こす要因となります。

この危険を回避するため、ペルトン水車の停止操作では二段階のプロセスが用いられます。まず、ノズルの外側に設置されたデフレクタ(そらし板)を噴流の中へ瞬時に挿入し、水の流れを強制的にランナの外側へそらします。これにより、ランナへの入力を即座に遮断して回転速度の過大な上昇を抑えます。その上で、水撃作用が発生しないよう、ニードル弁をゆっくりと閉じてノズルからの流量を絞っていきます。

ペルトン水車の運用と選択肢の検証

選択肢(3)では、ニードル弁を急速に閉じるという操作が含まれています。これは上記の水撃作用を引き起こす動作であり、安全装置であるデフレクタの正しい役割と矛盾します。

(1) 衝動水車としての分類はペルトン水車に当てはまります。 (2) 通常の負荷追従運転において、流量調整はニードル弁によって行われるという記述は正しい運用です。 (4) 小水力発電の定義および設置環境についての記述は技術的妥当性があります。 (5) クロスフロー水車は、流水がランナを二度通過する構造を持ち、その特性上、部分負荷時や少流量時でも効率が低下しにくいという長所があります。

ノズルから噴射される流体の向きと、デフレクタが割り込む位置関係を頭の中で重ねてみると、ランナを保護しながらエネルギーを逃がす仕組みが見えてきます。

参考リンク

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