第三種電気主任技術者試験 / 令和6年度第三種電気主任技術者上期試験 電力科目 / 各問題解説 / 問171
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令和6年度第三種電気主任技術者上期試験 電力科目 問171 解説 問17(a) 問17(a)

設問図

問17(a) 図のような系統構成の三相3線式配電線路があり, 開閉器Sは開いた状態にある。各配電線のB点, C点, D点には図のとおり負荷が接続されており, 各点の負荷電流はB点40A, C点30A, D点60A一定とし, 各負荷の力率は100%とする。各区間のこう長はA-B間1.5km, B-S(開閉器)間1.0km, S(開閉器)-C間0.5km, C-D間1.5km, D-A間2.0kmである。ただし, 電線1線当たりの抵抗は0.2Ω/kmとし, リアクタンスは無視するものとして, 電源A点から見たC点の電圧降下の値[V]として, 最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。ただし, 電圧は線間電圧とする。

  1. 41.6
  2. 45.0
  3. 57.2
  4. 77.9 ✓ 正答
  5. 90.0

解説

開閉器Sが開いている状態では、電源AからBを経由してCへ至る系統と、電源AからDを経由してCへ至る系統のそれぞれで個別に電圧降下が発生するため、C点の電圧降下は電源Aから見てどちらの経路を通った場合でも同じ値となり、これを算出することで77.9Vが導かれます。

電圧降下の計算式と性質

三相3線式配電線路において、負荷の力率が100%(抵抗負荷)とみなせる場合、線間の電圧降下はオームの法則に基づく抵抗成分と電流の積によって決定されます。電線1線当たりの抵抗を rr [Ω/km]、その区間のこう長を LL [km]、流れる電流を II [A] とすると、三相3線式では往復の2線分を考慮するため、線間電圧降下 ΔV\Delta V は以下の式で表されます。

ΔV=3×I×(r×L)\Delta V = \sqrt{3} \times I \times (r \times L)

この式は、配電線路の特定の点における電圧降下が、電源からその点に至る経路上の各区間に流れる電流と、その区間の抵抗値の積の総和であることを示しています。

系統構成による電圧降下の特定

  1. 開閉器Sが開いているため、系統はA-B-S-CとA-D-Cの2つのルートに分離されています。問題で求められているC点の電圧降下は、いずれのルートを通ってもA点からC点までの抵抗による降下の合計として同じ値になります。
  2. A-B-S-Cルートについて計算します。A-B間(1.5km)にはB点負荷(40A)とC点負荷(30A)を合わせた計70Aが流れ、B-S間(1.0km)とS-C間(0.5km)にはC点負荷の30Aが流れます。
  3. 各区間の抵抗値を算出します。電線1線当たりの抵抗は0.2Ω/kmです。A-B間の抵抗は 0.2×1.5=0.30.2 \times 1.5 = 0.3 Ω、B-S間は 0.2×1.0=0.20.2 \times 1.0 = 0.2 Ω、S-C間は 0.2×0.5=0.10.2 \times 0.5 = 0.1 Ωとなります。
  4. 経路全体の電圧降下を算出します。 ΔV=3×(IAB×RAB+IBS×RBS+ISC×RSC)\Delta V = \sqrt{3} \times (I_{AB} \times R_{AB} + I_{BS} \times R_{BS} + I_{SC} \times R_{SC}) ΔV=3×(70×0.3+30×0.2+30×0.1)\Delta V = \sqrt{3} \times (70 \times 0.3 + 30 \times 0.2 + 30 \times 0.1) ΔV=3×(21+6+3)=3×30\Delta V = \sqrt{3} \times (21 + 6 + 3) = \sqrt{3} \times 30 3≈1.732\sqrt{3} \approx 1.732 を用いると、ΔV≈1.732×30=51.96\Delta V \approx 1.732 \times 30 = 51.96 Vとなります。
  5. A-D-Cルートについて計算し、結果が一致することを確認します。A-D間(2.0km)にはD点負荷(60A)とC点負荷(30A)を合わせた計90Aが流れ、D-C間(1.5km)にはC点負荷の30Aが流れます。 A-D間の抵抗は 0.2×2.0=0.40.2 \times 2.0 = 0.4 Ω、D-C間の抵抗は 0.2×1.5=0.30.2 \times 1.5 = 0.3 Ωとなります。 ΔV=3×(90×0.4+30×0.3)\Delta V = \sqrt{3} \times (90 \times 0.4 + 30 \times 0.3) ΔV=3×(36+9)=3×45≈1.732×45=77.94\Delta V = \sqrt{3} \times (36 + 9) = \sqrt{3} \times 45 \approx 1.732 \times 45 = 77.94 Vとなります。

回路図上で電源Aから各負荷点へ向かう電流の分岐と、それぞれの区間が持つ抵抗値の関係を重ねてみると、電圧降下が積み重なっていく様子が見えてきます。

参考リンク

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