令和6年度第三種電気主任技術者上期試験 電力科目 問162 解説 問16(b) 問16
問16(b) 定格容量80MV・A,一次側定格電圧33kV,二次側定格電圧11kV,百分率インピーダンス18.3%(定格容量ベース)の三相変圧器TAがある。三相変圧器TAの一次側は33kVの電源に接続され,二次側は負荷のみが接続されている。電源系統基準容量は80MV・Aである。なお,抵抗分及びその他の定数は無視する。次の(a)及び(b)の問に答えよ。定格容量50MV・A,百分率インピーダンスが12.0%(定格容量ベース)の三相変圧器TBを三相変圧器TAと並列に接続した。40MWの負荷をかけて運転した場合,三相変圧器TAの負荷分担の値[MW]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。ただし,三相変圧器群TAとTBにはこの負荷のみが接続されているものとし,抵抗分及びその他の定数は無視する。
- 15.8
- 19.5
- 20.5 ✓ 正答
- 24.2
- 24.6
解説
三相変圧器TAとTBが並列に接続された場合、各変圧器の負荷分担はそれぞれのパーセントインピーダンスの逆比となるため、基準容量を統一した上でインピーダンス比を計算することで、TAの負荷分担は全体の約51.2%にあたる20.5 MWとなります。
変圧器の並列運転と負荷分担
複数の変圧器を並列に接続して負荷を分担させる際、各変圧器に流れる電流は、それぞれの内部インピーダンスに反比例します。ここで用いられるのがパーセントインピーダンス(%Z)です。%Zは変圧器の容量に依存して値が変わるため、並列運転の負荷分担を計算するには、すべての変圧器の%Zを同一の「基準容量」に換算する必要があります。
基準容量を [MV・A] としたとき、ある変圧器の定格容量を [MV・A]、その定格容量ベースのパーセントインピーダンスを [%] とすると、基準容量ベースのパーセントインピーダンス [%] は次の式で求められます。
この換算されたインピーダンスを用いれば、変圧器TAとTBの負荷分担比を決定できます。負荷が並列接続された変圧器全体にかかるとき、各変圧器の負荷分担 および は、インピーダンスの逆比に従って分配されます。
負荷分担の算出
与えられた条件に基づき、以下のステップで計算を行います。
基準容量を80 MV・Aに設定し、TBのパーセントインピーダンスを換算します。 TBの定格容量は50 MV・A、定格ベースのインピーダンスは12.0%ですので、 [%] となります。TAのパーセントインピーダンスは既に80 MV・Aベースで18.3%と与えられています。
変圧器TAが分担する割合を計算します。 並列接続におけるTAの分担比 は、インピーダンスの逆比の和に対するTA自身の逆比となります。
全負荷40 MWに対するTAの分担値を求めます。 [MW] 小数点以下の数値を考慮すると、最も近い値は20.5となります。
40 MWの負荷が二つの変圧器のインピーダンス比に応じて分配される様子を思い浮かべると、インピーダンスが小さい方の変圧器により多くの電流が流れる関係性が見えてきます。