第三種電気主任技術者試験 / 令和6年度第三種電気主任技術者上期試験 電力科目 / 各問題解説 / 問161
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令和6年度第三種電気主任技術者上期試験 電力科目 問161 解説 問16(a) 問16

設問図

問16(a) 定格容量80MV・A,一次側定格電圧33kV,二次側定格電圧11kV,百分率インピーダンス18.3%(定格容量ベース)の三相変圧器TAがある。三相変圧器TAの一次側は33kVの電源に接続され,二次側は負荷のみが接続されている。電源系統基準容量は80MV・Aである。なお,抵抗分及びその他の定数は無視する。次の(a)及び(b)の問に答えよ。将来の負荷変動等は考えないものとすると,変圧器TAの二次側に設置する遮断器の定格遮断電流の値[kA]として,最も適切なものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

  1. 5
  2. 8
  3. 12.5
  4. 20
  5. 25 ✓ 正答

解説

変圧器二次側の短絡電流は、定格電流を百分率インピーダンスで割ることで求められ、算出された約22.9kAという値に基づき、選択肢の中で最も近い25kAが選ばれます。

百分率インピーダンスと短絡電流の考え方

電力系統における事故電流の算出には、オームの法則を百分率法(パーセントインピーダンス法)で拡張した概念が用いられます。百分率インピーダンス(%Z)とは、変圧器のインピーダンスによる電圧降下を定格電圧に対する比率(%)で表したものです。

短絡事故が発生した際、回路には電源から変圧器を介して大きな電流が流れます。この短絡電流の大きさは、変圧器の内部インピーダンスによって制限されます。百分率インピーダンスが小さいほど短絡電流は大きくなり、逆に大きいほど小さくなります。具体的には、定格電流をI_nとすると、短絡電流I_sは以下の関係で決まります。

Is=In%Z/100I_s = \frac{I_n}{\%Z / 100}

この式は、変圧器がどれだけの短絡電流を流す能力があるかを示す指標となります。遮断器を選定する際は、万が一の事故時に回路を安全に切り離せるよう、この値以上の定格遮断電流を持つ機器を配置する必要があります。

二次側遮断電流の導出ステップ

  1. 変圧器二次側の定格電流I_nを求めます。定格容量P = 80 MV・A、二次側定格電圧V_n = 11 kVを用いて、三相の式 P=3×Vn×InP = \sqrt{3} \times V_n \times I_n から変形します。 In=80×1063×11×103≈4199[A]I_n = \frac{80 \times 10^6}{\sqrt{3} \times 11 \times 10^3} \approx 4199 [A]

  2. 変圧器の百分率インピーダンス%Z = 18.3% を用いて、定格電流を%Zの比率で割ることで短絡電流I_sを算出します。 Is=41990.183≈22945[A]I_s = \frac{4199}{0.183} \approx 22945 [A]

  3. 算出された短絡電流は約22.9 kAとなります。遮断器は短絡時に流れる電流を遮断できなければならないため、この電流値以上かつ最も近い遮断能力を持つ値を選択します。

変圧器の容量と電圧から定格電流を導き、そこに百分率インピーダンスという特性を重ねてみると、事故発生時に遮断器へ押し寄せるエネルギーの大きさが浮かび上がってきます。

参考リンク

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