第三種電気主任技術者試験 / 令和6年度第三種電気主任技術者上期試験 電力科目 / 各問題解説 / 問152
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令和6年度第三種電気主任技術者上期試験 電力科目 問152 解説 問15(b) 問15

設問図

問15(b) 水車の種類,回転速度と比速度の関係について,次の(a)及び(b)の問いに答えよ。この水車を同期発電機と直結し,50Hzの電力系統に接続して,同様に有効落差200m,水車出力85000kWで運転する場合,小問(a)の回転速度に最も近い回転速度で運転できる同期発電機の磁極数とそのときの回転速度による比速度の組合せとして,最も適切なものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

  1. 28 83
  2. 28 97
  3. 26 89
  4. 24 83
  5. 24 97 ✓ 正答

解説

有効落差200m、水車出力85000kWの条件下で、50Hzの系統に同期させるために磁極数24を選定し、その回転速度250min^-1から比速度を算出すると97m・kWとなり、これが適切な組み合わせとなります。

同期発電機の回転速度と磁極数の関係

水力発電所では、水車と同期発電機を直結して運転するため、発電機の回転速度は水車の回転速度と一致します。同期発電機の回転速度 NN は、系統周波数 ff と磁極数 pp によって決まり、以下の同期速度の式で表されます。

N=120fpN = \frac{120f}{p}

この式から分かるように、回転速度は磁極数という整数値によって離散的な値しか取り得ません。今回の50Hzの系統において、磁極数 pp を変えた場合の回転速度は以下の通りとなります。

  • p=24p = 24 のとき: N=120×5024=250N = \frac{120 \times 50}{24} = 250 [min^-1]
  • p=26p = 26 のとき: N=120×5026≈230.8N = \frac{120 \times 50}{26} \approx 230.8 [min^-1]
  • p=28p = 28 のとき: N=120×5028≈214.3N = \frac{120 \times 50}{28} \approx 214.3 [min^-1]

小問(a)で得られた回転速度258min^-1に最も近いのは、磁極数24のときの250min^-1です。

比速度の算出

比速度 NsN_s とは、ある水車と幾何学的に相似な形状を持つ仮想的な水車が、有効落差1mのときに1kWの出力を発生させるときの回転速度を指します。比速度は以下の式で定義されます。

Ns=NPH1.25N_s = \frac{N \sqrt{P}}{H^{1.25}}

ここで、NN は回転速度 [min^-1]、PP は水車出力 [kW]、HH は有効落差 [m] です。この式は、同じ水車であっても回転速度 NN が変われば、それに伴って比速度 NsN_s も変化することを示しています。

判断の手順

  1. 磁極数の選定: 先述の同期速度の式より、周波数50Hzにおいて小問(a)の258min^-1に近い回転速度を実現する磁極数は24であり、そのときの回転速度は250min^-1です。
  2. 比速度の計算: 選定した回転速度 N=250N = 250 [min^-1]、水車出力 P=85000P = 85000 [kW]、有効落差 H=200H = 200 [m] を比速度の式に代入します。 Ns=250×850002001.25=250×291.551893.38≈38.5×2.52≈97N_s = \frac{250 \times \sqrt{85000}}{200^{1.25}} = \frac{250 \times 291.55}{1893.38} \approx 38.5 \times 2.52 \approx 97 [m・kW]

この計算結果より、磁極数24と比速度97の組み合わせが導かれます。

同期発電機の構造上の制約である磁極数と、水車の性能指標である比速度の定義式を重ねてみると、発電所の運用条件における設計の繋がりが見えてきます。

参考リンク

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