令和6年度第三種電気主任技術者上期試験 電力科目 問40 解説 問4 問4
問4 1gのウラン235が核分裂し, 0.09%の質量欠損が生じたとき, 発生するエネルギーを石炭に換算した値[kg]として, 最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。ただし, 石炭の発熱量を25000kJ/kgとする。
- 32
- 320
- 1600
- 3200 ✓ 正答
- 6400
解説
1gのウラン235から生じる0.09%の質量欠損をアインシュタインの式にあてはめ、発生したエネルギーを石炭の発熱量で除することで、石炭換算値として3200kgが導かれます。
アインシュタインの質量とエネルギーの等価性
物理学において、質量とエネルギーは相互に変換可能であり、その関係はアインシュタインが提唱したアインシュタインの式 によって表されます。ここで、 はエネルギー[J]、 は質量[kg]、 は真空中の光の速さ(約 m/s)です。
核分裂反応などで物質の質量が減少する「質量欠損」が生じると、その減少分に比例した莫大なエネルギーが外部に放出されます。この式を用いることで、わずかな質量の変化がどれほどの熱エネルギーに相当するかを計算し、燃料としての価値を石炭などの他のエネルギー源と比較することが可能になります。
核分裂エネルギーの石炭換算手順
質量欠損 をキログラム単位で算出します。 元となるウラン1g( kg)の0.09%(0.0009)が減少するため、質量欠損 は以下の通りとなります。
放出される総エネルギー を求めます。 アインシュタインの式に数値を代入します。光速 を用いると、 kJ単位に換算すると、 となります。
石炭換算量を決定します。 発生したエネルギーを、与えられた石炭の発熱量 で割ることで、必要な石炭の質量を求めます。 石炭換算量 得られた値は選択肢の中の3200に近い値となります。
核分裂による質量欠損の割合と石炭の発熱量を重ねてみると、原子核が持つエネルギー密度の高さが際立って見えてきます。