令和7年度第三種電気主任技術者下期試験 法規科目 問30 解説 問3 問3
問3 次の文章は,「電気設備技術基準」における,電気設備の保安原則に関する記述の一部である。a) 電気設備の必要な箇所には,異常時の(ア),高電圧の侵入等による感電,火災その他人体に危害を及ぼし,又は物件への損傷を与えるおそれがないよう,(イ)その他の適切な措置を講じなければならない。ただし,電路に係る部分にあっては,この基準の別の規定に定めるところによりこれを行わなければならない。b) 電気設備に(イ)を施す場合は,電流が安全かつ確実に(ウ)ことができるようにしなければならない。上記の記述中の空白箇所(ア)~(ウ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- (1) 電位上昇,絶縁,遮断される
- (2) 過熱,接地,大地に通ずる
- (3) 過電流,絶縁,遮断される
- (4) 電位上昇,接地,大地に通ずる ✓ 正答
- (5) 過電流,接地,大地に通ずる
解説
「電気設備技術基準」第3条の規定に基づき、異常時の電位上昇が感電や火災を引き起こさないよう、接地を施して電流を確実に大地へ逃がす仕組みが求められるため、空欄には(ア)電位上昇、(イ)接地、(ウ)大地に通ずるが当てはまります。
電気設備の保安原則と接地
電気設備技術基準は、電気設備が人体や物件に危害を及ぼさないための「保安原則」を定めています。この原則の核心は、事故時の異常な電圧や電流を適切に制御し、設備を安全な状態に保つことにあります。
ここで重要となるのが「接地(Grounding)」の考え方です。接地とは、金属製の筐体や機器の非充電部を、電気的に大地(地球)と接続することを指します。通常、電気機器の金属外箱などに電気が漏れた場合、その部分は大地に対して高い電位を持ち、人が触れると感電事故が発生します。接地を施すと、漏電した電流は抵抗の低い接地線を通り、大地へと速やかに流れます。これにより、機器の電位上昇を抑え、人体への危険を低減できるのです。
空欄を埋める判断のステップ
(ア)の特定 「異常時」に感電や火災を招く物理的な要因として、電圧が跳ね上がる「電位上昇」を考慮します。機器の外箱などが異常高電圧となれば人体への危険が最大化するため、ここには電位上昇が入ります。
(イ)の特定 電位上昇や高電圧の侵入を防ぐための「適切な措置」として、電気設備技術基準で最も基本となるのが「接地」です。絶縁は漏電そのものを防ぐ手段ですが、文脈上「接地その他の適切な措置」という表現がなされていることから、ここは接地となります。
(ウ)の特定 接地を施す目的は、万が一の漏電時に、その電流を人間に向かわせず安全に逃がすことです。そのため、接地線を経由した電流は、電気的な帰路として大地へ流れる必要があります。「大地に通ずる」ことで初めて接地本来の安全機能が確保されます。
文中の「電位上昇」という言葉と、接地線が地中深くへ伸びていく様子を重ねてみると、電流が安全に大地へと吸収されていく仕組みが見えてきます。