令和7年度第三種電気主任技術者下期試験 電力科目 問172 解説 問17(b) 問17
問17(b)
図のような,A点及びB点に負荷を有する三相3線式高圧配電線がある。電源側S点の線間電圧を6600Vとするとき,次の(a)及び(b)の問に答えよ。ただし,配電線1線当たりの抵抗及びリアクタンスはそれぞれ0.3Ω/kmとする。B点における線間電圧の値[V]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 6020 ✓ 正答
- 5770
- 6460
- 6130
- 6260
解説
B点における線間電圧は、S-A間およびA-B間の各区間で生じる電圧降下を電源側の電圧から差し引くことで求められ、6020Vとなります。
三相3線式配電線の電圧降下
三相3線式配電線において、負荷に流れる電流による線間の電圧降下 ΔV は、次式で表されます。
ΔV=3I(Rcosθ+Xsinθ)
ここで、I はその区間を流れる電流[A]、R は配電線1線当たりの抵抗[Ω]、X は配電線1線当たりのリアクタンス[Ω]、cosθ は力率、sinθ は無効率をそれぞれ示します。この式は、各線に流れる電流と線路定数(抵抗およびリアクタンス)の積が、送電端と受電端の電圧差として現れることを示しています。
各区間の電圧降下計算
計算にあたり、各負荷の電流を複素数表示(ベクトル)で扱います。S点を基準とし、電圧を VS とします。
S-A間およびA-B間の電流とインピーダンスを整理する
B点の電流 IB=100(cosθB−jsinθB)。cosθB=0.6 より sinθB=1−0.62=0.8 です。
IB=100(0.6−j0.8)=60−j80 [A]
A点の電流 IA=200(cosθA−jsinθA)。cosθA=0.8 より sinθA=0.6 です。
IA=200(0.8−j0.6)=160−j120 [A]
各区間の距離は2km、1線当たりの抵抗・リアクタンスは0.3Ω/kmであるため、各区間の抵抗 R とリアクタンス X は 0.3×2=0.6 [Ω] です。
A-B間の電圧降下を求める
A-B間に流れる電流は IB です。
ΔVAB=3{(60×0.6)+(80×0.6)}=3(36+48)=3×84≈145.5 [V]
S-A間の電圧降下を求める
S-A間に流れる電流は IA+IB=(160+60)−j(120+80)=220−j200 [A] です。
この電流の有効分は220A、無効分は200Aとなります。
ΔVSA=3{(220×0.6)+(200×0.6)}=3(132+120)=3×252≈436.5 [V]
B点の電圧を決定する
S点の電圧6600Vから、各区間の電圧降下の合計を差し引きます。
VB=6600−(ΔVSA+ΔVAB)=6600−(436.5+145.5)=6600−582=6018 [V]
最も近い選択肢は6020Vとなります。
S点からB点へ向かって電流が分かれ、各区間で電圧が消費されていく様子を重ねてみると、回路全体の電圧の降下が見えてきます。
参考リンク
学習の記録にははてなブックマーク!
気づいたこと・覚えたことをコメントにメモしよう