コンデンサAは誘電体を直列接続したものとして、コンデンサBは誘電体を並列接続したものとして、それぞれの合成静電容量と蓄積エネルギーを算出すれば、比が1.20倍となります。
コンデンサの接続と静電容量の関係
平行板コンデンサの静電容量 C は、極板の面積を S、極板間の距離を d、誘電率を ε とすると C=εS/d で表されます。誘電体が複数ある場合、それらの配置によって合成静電容量の計算方法が異なります。
誘電体が極板に対して垂直に積み重なっている場合(コンデンサA)、各誘電体の静電容量 C1,C2,… は直列に接続されているとみなします。このとき、合成静電容量の逆数は各静電容量の逆数の和となります。
一方、誘電体が極板の間に並んで配置されている場合(コンデンサB)、各誘電体の静電容量 C1,C2,… は並列に接続されているとみなします。このとき、合成静電容量は各静電容量の単純な和となります。
コンデンサに蓄えられるエネルギー W は、電圧を V としたとき W=(1/2)CV2 で求められます。
コンデンサのエネルギー算出ステップ
コンデンサAの合成静電容量 CA を求める。誘電体が直列であるため、1/CA=1/CA1+1/CA2+1/CA3 を用います。各層は CA1=(2ε0S)/(d/6)=12ε0S/d、CA2=(3ε0S)/(d/3)=9ε0S/d、CA3=(6ε0S)/(d/2)=12ε0S/d となります。これより 1/CA=(d/12ε0S)+(d/9ε0S)+(d/12ε0S)=(d/ε0S)(1/12+1/9+1/12)=5d/18ε0S となり、CA=18ε0S/5d が得られます。したがって、エネルギー WA=(1/2)⋅(18ε0S/5d)⋅V2=9ε0SV2/5d です。
コンデンサBの合成静電容量 CB を求める。誘電体が並列であるため、CB=CB1+CB2+CB3 を用います。各部は CB1=(2ε0⋅S/6)/d=ε0S/3d、CB2=(3ε0⋅S/3)/d=ε0S/d、CB3=(6ε0⋅S/2)/d=3ε0S/d となります。これらを合計すると CB=(ε0S/d)(1/3+1+3)=13ε0S/3d が得られます。したがって、エネルギー WB=(1/2)⋅(13ε0S/3d)⋅V2=13ε0SV2/6d です。
エネルギーの比を算出する。WB/WA=(13/6)/(9/5)=(13⋅5)/(6⋅9)=65/54≈1.2037 となり、約1.20となります。
コンデンサAの誘電体の層と、コンデンサBの誘電体の分割面を重ねてみると、電流の経路に対する直列・並列の違いが見えてきます。
参考リンク